2023年東京開業で話題!“ハリポタ”スタジオツアー施設をロンドンで体験 大広間にホグワーツ特急…映画の“聖地”に興奮
提供:女子旅プレス
「ハリー・ポッター」の物語が生まれた英・ロンドン。この街にある「ワーナー ブラザース スタジオツアーロンドン -メイキング・オブ・ハリー・ポッター」は実際の映画撮影で使われたセット・小道具の展示施設だ。今年、世界2例目のスタジオツアー施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐ メイキング・オブ ハリー・ポッター」が2023年夏、東京都練馬区に開業することが発表され大きなニュースに。そこで開業に先立ち、スタジオツアー施設の魅力を現地で体験取材してきた。<体験レポ>
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「ワーナー ブラザース スタジオツアーロンドン - メイキング・オブ・ハリー・ポッター(以下スタジオツアーロンドン)」は、映画「ハリー・ポッター」シリーズ製作の舞台裏を見て回り、数々の名場面を生んだ“魔法”を体感できるウォークスルー型のスタジオツアー施設。
映画「ハリー・ポッター」シリーズは映画史上最も成功したシリーズとされ、「ハリー・ポッター」シリーズ全8作、「ファンタスティック・ビースト」3作、計11作の日本国内興行収入は1,145億円超え。国内洋画シリーズの興行収入No.1の記録を打ち立て、2001年のシリーズ第1作目「ハリー・ポッターと賢者の石」公開から20年以上が経ってもなお、ファンの心に魔法をかけ続けている。
そんな「ハリー・ポッター」シリーズ全体を通じて撮影が行われたリーブスデン・スタジオという撮影所を、約3年の年月をかけて現在の観光施設に改装したのが「スタジオツアーロンドン」だ。
そもそもスタジオツアー施設とは、実際に映画撮影で使用されたセット・小道具等をひとつの巨大空間に集めた展示施設であり、映画製作の舞台裏を深掘りし、作品の奥深い魅力に触れられる体験を提供する場だ。テーマパークと混在されがちだが、「スタジオツアーロンドン」「スタジオツアー東京」の両施設ともアトラクションの類はなく、その点でテーマパークとは全く立ち位置が異なっている。
「ハリー・ポッター」シリーズの撮影の大部分が行われ、実際に使用された撮影セット、小道具や衣装等を展示している「スタジオツアーロンドン」。2012年のオープン以降、10年が経った今なおチケットは入手困難という人気ぶりだ。
「スタジオツアーロンドン」はロンドンのベッドタウン・ワトフォードという街にあり、最寄り駅はワトフォード・ジャンクション駅。ワトフォード・ジャンクション駅前より施設へ直通のシャトルバスが運行している。
巨大な魔法の杖を模したオブジェの合間を通り抜け、まずはエントランスへ。
エントランスホール全体をぐるりと囲むスクリーンにはハリー、ロン、ハーマイオニーら主要キャラクターたちの映像が常時映しだされており、天井に浮かぶ巨大ドラゴンは息遣いを感じるほど迫力満点!これから始まる映画製作の舞台裏を巡る旅への期待を高めてくれる。
敷地面積14,000平方メートルの中は、ホグワーツ魔法魔術学校の大広間、ダンブルドアの校長室、グリフィンドールの談話室、禁じられた森など、いずれも「ハリー・ポッター」シリーズを象徴するセットの数々で主に構成される。
小さなものではハリーの物置小屋にはじまり、ダイアゴン横丁、プリベット通りなど作品の象徴的なシーンのセットも。
またホグワーツ城のミニチュア、キャストが着た衣装、アニマトロニクス、特殊効果、小道具まで広く展示され、そのスケールと精巧なつくりを目の前で味わうことができる。グリーンスクリーンを用いたフォトブースでは撮影体験も楽しめ、カフェやここでしか買えないグッズを扱うショップも併設されている。
「スタジオツアーロンドン」で一番の目的に挙げる人も多い大広間は、日常の食事の場、さまざまな学校行事や、クリスマス・ダンスパーティーなど、ホグワーツ校内でも一際沢山の思い出が刻まれた空間だ。
精巧な装飾の施された重厚な金の扉が、合図とともにゆっくりと開き、映画で幾度となく見たあの大広間が視界に広がる瞬間は、ファンなら誰しも心震えるはず。スタジオツアーのハイライトとも言える、忘れられない感動の瞬間となるだろう。
「ハリー・ポッター」の魔法の世界をスクリーンの中で生き生きと表現できたのは、魅力的な俳優陣の存在はもちろんのこと、セットの製作に携わったクルーの高い技術があってこそ。
シリーズ全8作の撮影は10年あまりに及んだが、作品の世界においてホグワーツ創立は1000年以上前とされている。美術・視覚効果・特殊メイクなど各分野のスタッフの力がなければ、歴史あるホグワーツ城の重ねてきた長き月日をスクリーン上で表現することは出来なかった。
「スタジオツアーロンドン」では映画の世界観を身をもって体感できるだけでなく、世界最高峰のスタッフの技術と途方もない努力の結晶を間近で観賞できるという点でも非常に意義のある空間だ。
その一例として、4寮の生徒たちが集まったオーク材やパイン材の長テーブルは年季を出すためわざと斧や鎖で傷をつけて古さを表現しているとか。
ヨークストーンが使われた大広間の床を歩き、長テーブルの上の豪華な御馳走や壁の装飾品、照明を隅々までじっくり鑑賞してみてほしい。
大広間を抜けると、様々なインテリアセットのエリアへと続いていく。ここでは見どころをいくつかピックアップして紹介。
ファンに人気のエリアのひとつが、こじんまりとした居心地の良さが魅力のグリフィンドールの談話室と男子寮。壁を飾る肖像画には歴代の寮監が描かれ、寮のテーマカラーである深紅とゴールドが寮の個性を強調している。
男子寮は10年間に渡りベッドを含めほぼ手が加えられていないが、動きのある撮影を可能にするためシリーズの途中から壁が一部可動式となったという。若き俳優たちがストーリーを追うごとに成長していく様子を見守ってきた、第2の実家のような空間だ。
少し進むとスリザリンの談話室もあり、こちらはグリフィンドールとは対照的にダークトーンのインテリアが多くクールな印象。
“隠れ穴”と呼ばれるウィーズリー家の自宅は、心温まるアットホームな雰囲気が漂う。お金があまりなく高価な物を買うことができない、その背景を表現すべく、半年かけリサイクルショップやオークションで買い集めたり、手作りで用意したりした小道具がセットに置かれている。
ウィーズリー家の時計もオークションで競り落とした振り子時計が姿を変えたもの。天井がやや傾いてしまっているところも味わい深い。屋外エリアでは“隠れ穴”の建物全体のセットも見られる。
私室と書斎を兼ねたダンブルドアの校長室には、歴代校長を演じた俳優2人それぞれの衣装と、顕微鏡、望遠鏡、星図など校長のお気に入りの品々が所狭しと飾られている。誰よりも聡明でありながら、好奇心旺盛でチャーミング、そして天体好きな校長の人柄を反映したような空間だ。
有名な組分け帽子、グリフィンドールの剣、憂いの篩(ふるい)に記憶の棚と、ストーリーの重要なシーンで登場した小道具もあり、細部に至るまで見応えがある。
見応えで言えば、魔法薬学の教室も細部にまでこだわりが詰まったセットだ。1,000個に及ぶ怪しげな小瓶には、それぞれ枯葉やドライハーブ、そして地元の精肉店で調達した家畜の骨などを保管。地下牢のような暗さ、魔法の杖が中身をかき混ぜる魔法鍋も怪しげな雰囲気に拍車をかけている。
ハリーが初めて魔法の世界を垣間見た場所である、ダイアゴン横丁のセットは、壁の色、装飾、照明もすべて製作当時のままだ。
ホグワーツで必要なものが何でも手に入る、カラフルなショッピングストリートを歩くと、魔法使いの杖を扱うオリバンダーの店、フローリシュ・アンド・ブロッツ書店、フレッドとジョージのウィーズリー兄弟が営むいたずら専門店ウィーズリー・ウィザード・ウィーズなどお馴染みの店が連なり、一軒一軒じっくり見て回りたくなる。魔法世界の雰囲気を一際感じられる人気のセットのひとつだ。
9と3/4番線のプラットフォームもファンなら間違いなく胸躍る象徴的なセットのひとつだろう。
ロンドンのキングズ・クロス駅の9と3/4番線からホグズミード駅間を結ぶ真っ赤なホグワーツ特急は、実際に乗車することも可能。車内を進むとそれぞれの小部屋ごとに、映画の車中でのシーンが再現されている。
シリーズ終盤でデスイーターたちの本拠地となったマルフォイの家は、エリザベス朝時代のカントリーハウスがモチーフになった。闇の帝王・ヴォルデモート卿とその一味が会議をしたダイニングテーブルの上では恐ろしいワンシーンも再現されている。
三大魔法学校対抗試合優勝杯、宙に浮かぶデスイーターなど、シリーズ後半以降のダークなシーンを連想させるセット・小道具の多さも印象だった。
巨木が根を張る暗く恐ろしい“禁じられた森”も、なんとこのスタジオ内に造られたセットなのだから驚き。映画だと外ロケ撮影のように見えた森でのシーンはここで生まれた。
霧の立ち込める森の中を進むと、巨大蜘蛛・アラゴグの巣窟、ハグリッドがこっそり森で飼育していたヒッポグリフのバックビーク、エクスペクト・パトローナムの呪文で具現化した光り輝く守護霊の姿が。
一部自らの手でスイッチを切り替え、天候を自在にコントロールできるギミックもあり、特撮チームが開発した撮影技術を体験することができる。
スタジオツアーの途中、一部屋外に展示されているセットも。ハリーが育ったダーズリー一家の自宅、“隠れ穴”のほか、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」冒頭でハリーを乗せて猛スピードで街を走った紫色の“夜の騎士バス”、空飛ぶ車などの乗り物が展示されている。
美しいホグワーツの橋は映画だと非常に長く見えるが、実際に建設されたのは橋の一部だけ。大部分は視覚効果チームによるCG映像で補われた。そんな橋のセットは実際に歩いて通り抜けることも可能。時間帯や照明によって表情を変え、時折雪が降る演出も加わり、タイミングによって違った雰囲気で記念撮影を楽しめる。
この屋外エリアに、新たに薬草学の授業でお馴染みの温室がオープン。ここではホグワーツの生徒と同様、スプラウト先生の授業さながらにマンドレイクを掴んで引き抜く体験ができる。
スタジオツアー終盤に満を持してゲストを待つのは、ホグワーツ城の巨大模型のセットだ。映画だととてつもない大きさに見えるホグワーツ城だが、もちろん現実世界に実在するものではなく、完成に約7か月をかけた精巧な模型にキャストの演技を撮影した動画のサイズ感を縮小させて城に当て込むことで、数々のシーンを映像化してきた。
ストーリーを追うごとに構造の細部が明らかになり、模型も再構築が必要になるたび、レンガを塗り直し、新たな設備を加え、3~4か月かけまるで本物の建造物さながらの改修作業を行ってきたという。フクロウ小屋、天文台の塔は後から加えられた設備だ。
風見鶏、ドアの蝶番まで実に細かく造りこまれているので、360度あらゆる角度から精巧な作りを存分に鑑賞してほしい。
「スタジオツアーロンドン」には4軒の飲食店・カフェがあり、施設から出ることなく、鑑賞前後にランチや軽食、ディナーを楽しむことができる。今回はスタジオツアーの最中に立ち寄りやすい中間地点にある「バックロット・カフェ」へ。
ボリューム満点のバックロットバーガーやホットドッグ、サンドイッチ、サラダにキッズメニューもあり、家族連れにも嬉しいラインナップが揃う。
映画でお馴染みの甘いバタービールはもちろん、バタービールアイスクリームという気になるメニューも。バタービールはプラス料金でスーベニアジョッキ付きも選べる。バタービールを頼んだら“泡ひげ”をつけての記念撮影も忘れずに。
エントランスホールの「チョコレートフロッグカフェ」では、ホットチョコレートやシェイク、ソフトクリーム、可愛い焼き菓子を提供。名前からも分かるよう、魔法界で人気のおやつ・蛙チョコがテーマになったカフェなので、ここでの時間も映画の世界観を感じるひとときとなるだろう。
ロンドン市内には「スタジオツアーロンドン」の外にも見逃せないスポットが。ホグワーツ魔法魔術学校行きのホグワーツ特急の始発駅として登場したキングズ・クロス駅にある9と3/4番線のフォトスポットはファンならぜひ立ち寄っておきたい。
9と3/4番線を舞台にしたシーンは、ほとんどがこの実在するキングス・クロス駅で撮影された。「スタジオツアーロンドン」にあるのは、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」でプラットホームの一部をサウンドステージに造りつけ、線路やホグワーツ特急を設置したもの。
実際に映画の撮影が行われたキングズ・クロス駅の駅外には、壁に向かってカートを押すあの有名なシーンを撮影できる特別なフォトスポットがあり、好きな寮のマフラーを選んで写真撮影を楽しめる。自身のスマホであれば撮影は無料だ。
隣が公式グッズショップになっており、店内のカウンターで有料でカメラマンに撮影してもらった記念写真も購入できる。常に人だかりができている人気撮影スポットのため行列は覚悟して訪れたい。
またロンドン中心部に来たなら、ソーホー地区の「ハウス・オブ・ミナリマ」にもぜひ寄り道を。
「ハリー・ポッター」シリーズの世界観を生み出したグラフィックデザイナー、ミラフォラ・ミナとエドゥアルド・リマによって設立された「ハウス・オブ・ミナリマ」。
2階建ての店舗には「ハリー・ポッター」&「ファンタスティック・ビースト」のポスターや書籍、雑貨などの多種多様な公式グッズが揃う。店自体も映画に登場しそうなお洒落な雰囲気のため、ロンドン散策がてらぜひ足を運んでほしい。
2023年夏、緑豊かなとしまえん跡地に開業する「スタジオツアー東京」は、母国ロンドンに次いで世界で2番目、アジア初の「ハリー・ポッター」スタジオツアー施設となり、「スタジオツアーロンドン」より広い敷地面積約30,000平方メートル。
実際のイギリスの映画製作スタッフ協力のもと、細部までこだわって製作されたセット、衣装・小道具の数々など魅力的な展示の数々が、日本ではさらにスケールアップ。ロンドンにはないセットの展示や、東京限定の体験型撮影コンテンツも計画されていることから、既に国内外のファンから大いに注目を浴びている。
「スタジオツアー東京」開業は2023年夏 新クリエイティブ・アートも初公開
「スタジオツアー東京」関係者コメント
シリーズ完結から10年以上の時を経て、再び魔法の物語のワクワクやドキドキを体感できる新たな“聖地”の誕生に大いに期待せずにはいられない。(女子旅プレス/modelpress編集部)
※記事は女子旅プレスの調査及び主観に基づくものであり、店舗のサービスが保証されるものではありません。
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目次
- 世界中のハリポタファンの聖地「ワーナー ブラザース スタジオツアーロンドン - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」
- 映画でお馴染みの数々のシーンのセットや小道具を展示
- 多くの名シーンの舞台となった大広間に感動
- グリフィンドールの談話室に校長室、ダイアゴン横丁…見どころセットをピックアップ
- あの“禁じられた森”もセットだった
- 屋外エリアにもダーズリー家、夜の騎士バスと見どころがたくさん
- クライマックスは壮大なホグワーツ城の巨大模型
- あのバタービールも飲める!飲食体験も見逃せない
- キングズ・クロス駅の特別な9と3/4番線フォトスポット&公式グッズショップ「ハウス・オブ・ミナリマ」へ
- 2023年夏、日本にもスタジオツアー施設が誕生!「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐ メイキング・オブ ハリー・ポッター」
世界中のハリポタファンの聖地「ワーナー ブラザース スタジオツアーロンドン - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」
「ワーナー ブラザース スタジオツアーロンドン - メイキング・オブ・ハリー・ポッター(以下スタジオツアーロンドン)」は、映画「ハリー・ポッター」シリーズ製作の舞台裏を見て回り、数々の名場面を生んだ“魔法”を体感できるウォークスルー型のスタジオツアー施設。
映画「ハリー・ポッター」シリーズは映画史上最も成功したシリーズとされ、「ハリー・ポッター」シリーズ全8作、「ファンタスティック・ビースト」3作、計11作の日本国内興行収入は1,145億円超え。国内洋画シリーズの興行収入No.1の記録を打ち立て、2001年のシリーズ第1作目「ハリー・ポッターと賢者の石」公開から20年以上が経ってもなお、ファンの心に魔法をかけ続けている。
そんな「ハリー・ポッター」シリーズ全体を通じて撮影が行われたリーブスデン・スタジオという撮影所を、約3年の年月をかけて現在の観光施設に改装したのが「スタジオツアーロンドン」だ。
そもそもスタジオツアー施設とは、実際に映画撮影で使用されたセット・小道具等をひとつの巨大空間に集めた展示施設であり、映画製作の舞台裏を深掘りし、作品の奥深い魅力に触れられる体験を提供する場だ。テーマパークと混在されがちだが、「スタジオツアーロンドン」「スタジオツアー東京」の両施設ともアトラクションの類はなく、その点でテーマパークとは全く立ち位置が異なっている。
映画でお馴染みの数々のシーンのセットや小道具を展示
「ハリー・ポッター」シリーズの撮影の大部分が行われ、実際に使用された撮影セット、小道具や衣装等を展示している「スタジオツアーロンドン」。2012年のオープン以降、10年が経った今なおチケットは入手困難という人気ぶりだ。
「スタジオツアーロンドン」はロンドンのベッドタウン・ワトフォードという街にあり、最寄り駅はワトフォード・ジャンクション駅。ワトフォード・ジャンクション駅前より施設へ直通のシャトルバスが運行している。
巨大な魔法の杖を模したオブジェの合間を通り抜け、まずはエントランスへ。
エントランスホール全体をぐるりと囲むスクリーンにはハリー、ロン、ハーマイオニーら主要キャラクターたちの映像が常時映しだされており、天井に浮かぶ巨大ドラゴンは息遣いを感じるほど迫力満点!これから始まる映画製作の舞台裏を巡る旅への期待を高めてくれる。
敷地面積14,000平方メートルの中は、ホグワーツ魔法魔術学校の大広間、ダンブルドアの校長室、グリフィンドールの談話室、禁じられた森など、いずれも「ハリー・ポッター」シリーズを象徴するセットの数々で主に構成される。
小さなものではハリーの物置小屋にはじまり、ダイアゴン横丁、プリベット通りなど作品の象徴的なシーンのセットも。
またホグワーツ城のミニチュア、キャストが着た衣装、アニマトロニクス、特殊効果、小道具まで広く展示され、そのスケールと精巧なつくりを目の前で味わうことができる。グリーンスクリーンを用いたフォトブースでは撮影体験も楽しめ、カフェやここでしか買えないグッズを扱うショップも併設されている。
多くの名シーンの舞台となった大広間に感動
「スタジオツアーロンドン」で一番の目的に挙げる人も多い大広間は、日常の食事の場、さまざまな学校行事や、クリスマス・ダンスパーティーなど、ホグワーツ校内でも一際沢山の思い出が刻まれた空間だ。
精巧な装飾の施された重厚な金の扉が、合図とともにゆっくりと開き、映画で幾度となく見たあの大広間が視界に広がる瞬間は、ファンなら誰しも心震えるはず。スタジオツアーのハイライトとも言える、忘れられない感動の瞬間となるだろう。
「ハリー・ポッター」の魔法の世界をスクリーンの中で生き生きと表現できたのは、魅力的な俳優陣の存在はもちろんのこと、セットの製作に携わったクルーの高い技術があってこそ。
シリーズ全8作の撮影は10年あまりに及んだが、作品の世界においてホグワーツ創立は1000年以上前とされている。美術・視覚効果・特殊メイクなど各分野のスタッフの力がなければ、歴史あるホグワーツ城の重ねてきた長き月日をスクリーン上で表現することは出来なかった。
「スタジオツアーロンドン」では映画の世界観を身をもって体感できるだけでなく、世界最高峰のスタッフの技術と途方もない努力の結晶を間近で観賞できるという点でも非常に意義のある空間だ。
その一例として、4寮の生徒たちが集まったオーク材やパイン材の長テーブルは年季を出すためわざと斧や鎖で傷をつけて古さを表現しているとか。
ヨークストーンが使われた大広間の床を歩き、長テーブルの上の豪華な御馳走や壁の装飾品、照明を隅々までじっくり鑑賞してみてほしい。
グリフィンドールの談話室に校長室、ダイアゴン横丁…見どころセットをピックアップ
大広間を抜けると、様々なインテリアセットのエリアへと続いていく。ここでは見どころをいくつかピックアップして紹介。
ファンに人気のエリアのひとつが、こじんまりとした居心地の良さが魅力のグリフィンドールの談話室と男子寮。壁を飾る肖像画には歴代の寮監が描かれ、寮のテーマカラーである深紅とゴールドが寮の個性を強調している。
男子寮は10年間に渡りベッドを含めほぼ手が加えられていないが、動きのある撮影を可能にするためシリーズの途中から壁が一部可動式となったという。若き俳優たちがストーリーを追うごとに成長していく様子を見守ってきた、第2の実家のような空間だ。
少し進むとスリザリンの談話室もあり、こちらはグリフィンドールとは対照的にダークトーンのインテリアが多くクールな印象。
“隠れ穴”と呼ばれるウィーズリー家の自宅は、心温まるアットホームな雰囲気が漂う。お金があまりなく高価な物を買うことができない、その背景を表現すべく、半年かけリサイクルショップやオークションで買い集めたり、手作りで用意したりした小道具がセットに置かれている。
ウィーズリー家の時計もオークションで競り落とした振り子時計が姿を変えたもの。天井がやや傾いてしまっているところも味わい深い。屋外エリアでは“隠れ穴”の建物全体のセットも見られる。
私室と書斎を兼ねたダンブルドアの校長室には、歴代校長を演じた俳優2人それぞれの衣装と、顕微鏡、望遠鏡、星図など校長のお気に入りの品々が所狭しと飾られている。誰よりも聡明でありながら、好奇心旺盛でチャーミング、そして天体好きな校長の人柄を反映したような空間だ。
有名な組分け帽子、グリフィンドールの剣、憂いの篩(ふるい)に記憶の棚と、ストーリーの重要なシーンで登場した小道具もあり、細部に至るまで見応えがある。
見応えで言えば、魔法薬学の教室も細部にまでこだわりが詰まったセットだ。1,000個に及ぶ怪しげな小瓶には、それぞれ枯葉やドライハーブ、そして地元の精肉店で調達した家畜の骨などを保管。地下牢のような暗さ、魔法の杖が中身をかき混ぜる魔法鍋も怪しげな雰囲気に拍車をかけている。
ハリーが初めて魔法の世界を垣間見た場所である、ダイアゴン横丁のセットは、壁の色、装飾、照明もすべて製作当時のままだ。
ホグワーツで必要なものが何でも手に入る、カラフルなショッピングストリートを歩くと、魔法使いの杖を扱うオリバンダーの店、フローリシュ・アンド・ブロッツ書店、フレッドとジョージのウィーズリー兄弟が営むいたずら専門店ウィーズリー・ウィザード・ウィーズなどお馴染みの店が連なり、一軒一軒じっくり見て回りたくなる。魔法世界の雰囲気を一際感じられる人気のセットのひとつだ。
9と3/4番線のプラットフォームもファンなら間違いなく胸躍る象徴的なセットのひとつだろう。
ロンドンのキングズ・クロス駅の9と3/4番線からホグズミード駅間を結ぶ真っ赤なホグワーツ特急は、実際に乗車することも可能。車内を進むとそれぞれの小部屋ごとに、映画の車中でのシーンが再現されている。
シリーズ終盤でデスイーターたちの本拠地となったマルフォイの家は、エリザベス朝時代のカントリーハウスがモチーフになった。闇の帝王・ヴォルデモート卿とその一味が会議をしたダイニングテーブルの上では恐ろしいワンシーンも再現されている。
三大魔法学校対抗試合優勝杯、宙に浮かぶデスイーターなど、シリーズ後半以降のダークなシーンを連想させるセット・小道具の多さも印象だった。
あの“禁じられた森”もセットだった
巨木が根を張る暗く恐ろしい“禁じられた森”も、なんとこのスタジオ内に造られたセットなのだから驚き。映画だと外ロケ撮影のように見えた森でのシーンはここで生まれた。
霧の立ち込める森の中を進むと、巨大蜘蛛・アラゴグの巣窟、ハグリッドがこっそり森で飼育していたヒッポグリフのバックビーク、エクスペクト・パトローナムの呪文で具現化した光り輝く守護霊の姿が。
一部自らの手でスイッチを切り替え、天候を自在にコントロールできるギミックもあり、特撮チームが開発した撮影技術を体験することができる。
屋外エリアにもダーズリー家、夜の騎士バスと見どころがたくさん
スタジオツアーの途中、一部屋外に展示されているセットも。ハリーが育ったダーズリー一家の自宅、“隠れ穴”のほか、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」冒頭でハリーを乗せて猛スピードで街を走った紫色の“夜の騎士バス”、空飛ぶ車などの乗り物が展示されている。
美しいホグワーツの橋は映画だと非常に長く見えるが、実際に建設されたのは橋の一部だけ。大部分は視覚効果チームによるCG映像で補われた。そんな橋のセットは実際に歩いて通り抜けることも可能。時間帯や照明によって表情を変え、時折雪が降る演出も加わり、タイミングによって違った雰囲気で記念撮影を楽しめる。
この屋外エリアに、新たに薬草学の授業でお馴染みの温室がオープン。ここではホグワーツの生徒と同様、スプラウト先生の授業さながらにマンドレイクを掴んで引き抜く体験ができる。
クライマックスは壮大なホグワーツ城の巨大模型
スタジオツアー終盤に満を持してゲストを待つのは、ホグワーツ城の巨大模型のセットだ。映画だととてつもない大きさに見えるホグワーツ城だが、もちろん現実世界に実在するものではなく、完成に約7か月をかけた精巧な模型にキャストの演技を撮影した動画のサイズ感を縮小させて城に当て込むことで、数々のシーンを映像化してきた。
ストーリーを追うごとに構造の細部が明らかになり、模型も再構築が必要になるたび、レンガを塗り直し、新たな設備を加え、3~4か月かけまるで本物の建造物さながらの改修作業を行ってきたという。フクロウ小屋、天文台の塔は後から加えられた設備だ。
風見鶏、ドアの蝶番まで実に細かく造りこまれているので、360度あらゆる角度から精巧な作りを存分に鑑賞してほしい。
あのバタービールも飲める!飲食体験も見逃せない
「スタジオツアーロンドン」には4軒の飲食店・カフェがあり、施設から出ることなく、鑑賞前後にランチや軽食、ディナーを楽しむことができる。今回はスタジオツアーの最中に立ち寄りやすい中間地点にある「バックロット・カフェ」へ。
ボリューム満点のバックロットバーガーやホットドッグ、サンドイッチ、サラダにキッズメニューもあり、家族連れにも嬉しいラインナップが揃う。
映画でお馴染みの甘いバタービールはもちろん、バタービールアイスクリームという気になるメニューも。バタービールはプラス料金でスーベニアジョッキ付きも選べる。バタービールを頼んだら“泡ひげ”をつけての記念撮影も忘れずに。
エントランスホールの「チョコレートフロッグカフェ」では、ホットチョコレートやシェイク、ソフトクリーム、可愛い焼き菓子を提供。名前からも分かるよう、魔法界で人気のおやつ・蛙チョコがテーマになったカフェなので、ここでの時間も映画の世界観を感じるひとときとなるだろう。
キングズ・クロス駅の特別な9と3/4番線フォトスポット&公式グッズショップ「ハウス・オブ・ミナリマ」へ
ロンドン市内には「スタジオツアーロンドン」の外にも見逃せないスポットが。ホグワーツ魔法魔術学校行きのホグワーツ特急の始発駅として登場したキングズ・クロス駅にある9と3/4番線のフォトスポットはファンならぜひ立ち寄っておきたい。
9と3/4番線を舞台にしたシーンは、ほとんどがこの実在するキングス・クロス駅で撮影された。「スタジオツアーロンドン」にあるのは、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」でプラットホームの一部をサウンドステージに造りつけ、線路やホグワーツ特急を設置したもの。
実際に映画の撮影が行われたキングズ・クロス駅の駅外には、壁に向かってカートを押すあの有名なシーンを撮影できる特別なフォトスポットがあり、好きな寮のマフラーを選んで写真撮影を楽しめる。自身のスマホであれば撮影は無料だ。
隣が公式グッズショップになっており、店内のカウンターで有料でカメラマンに撮影してもらった記念写真も購入できる。常に人だかりができている人気撮影スポットのため行列は覚悟して訪れたい。
またロンドン中心部に来たなら、ソーホー地区の「ハウス・オブ・ミナリマ」にもぜひ寄り道を。
「ハリー・ポッター」シリーズの世界観を生み出したグラフィックデザイナー、ミラフォラ・ミナとエドゥアルド・リマによって設立された「ハウス・オブ・ミナリマ」。
2階建ての店舗には「ハリー・ポッター」&「ファンタスティック・ビースト」のポスターや書籍、雑貨などの多種多様な公式グッズが揃う。店自体も映画に登場しそうなお洒落な雰囲気のため、ロンドン散策がてらぜひ足を運んでほしい。
2023年夏、日本にもスタジオツアー施設が誕生!「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐ メイキング・オブ ハリー・ポッター」
2023年夏、緑豊かなとしまえん跡地に開業する「スタジオツアー東京」は、母国ロンドンに次いで世界で2番目、アジア初の「ハリー・ポッター」スタジオツアー施設となり、「スタジオツアーロンドン」より広い敷地面積約30,000平方メートル。
実際のイギリスの映画製作スタッフ協力のもと、細部までこだわって製作されたセット、衣装・小道具の数々など魅力的な展示の数々が、日本ではさらにスケールアップ。ロンドンにはないセットの展示や、東京限定の体験型撮影コンテンツも計画されていることから、既に国内外のファンから大いに注目を浴びている。
「スタジオツアー東京」開業は2023年夏 新クリエイティブ・アートも初公開
「スタジオツアー東京」関係者コメント
シリーズ完結から10年以上の時を経て、再び魔法の物語のワクワクやドキドキを体感できる新たな“聖地”の誕生に大いに期待せずにはいられない。(女子旅プレス/modelpress編集部)
※記事は女子旅プレスの調査及び主観に基づくものであり、店舗のサービスが保証されるものではありません。
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