「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」和華蘭文化息づくオリエンタルな空間を堪能
長崎市の南山手エリアに佇む「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」は、様々な船が行き交う長崎港に面したライフスタイル・ブティックホテル。明治期の建物を再活用した煉瓦造りの外観で、内装は長崎独自の和華蘭 (わからん)文化が息づくデザイン。真っ白な聖堂レストランで楽しむお食事も魅力の、同ホテルの滞在レポートをお届け。
歴史とモダンが融合した「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」
2024年12月開業の「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」は、1898年に建てられた児童養護施設・マリア園を改修して再活用したホテル。
造船所のドックや長崎港口に架かる女神大橋を望む、長崎らしいロケーションに立地。鎖国下の時代に諸外国との貿易で栄えた当時の面影が色濃く残る、異国情緒あふれる長崎の歴史と文化を五感で体感できる、特別な一軒です。
コンセプトは「時空を旅する 和・華・蘭ラビリンス」。銅板葺きの屋根は、開業時点では美しいブロンズカラーですが、月日が経つとともに潮風にさらされ徐々に緑がかって変色していくさまを楽しめるそう。レンガや石畳なども含め、経年変化を楽しめる素材を取り入れることで、ホテル全体に深みを与えています。
外壁のレンガ、支柱などの一部は前身のものを保存活用しつつ、復原を織り交ぜてリノベーション。当時の面影を残しつつ、伝統的建造物に新たな命を吹きこみ、長崎の歴史を明治から未来へと紡ぎ、歴史を物語るような一軒となっています。
和華蘭文化が細部に宿るこだわりのデザイン
ホテル館内は、和華蘭文化が融合した、洗練されたデザイン。和華蘭(わからん)とは、日本、中国、オランダやポルトガルといった西洋の文化が交じりあい、長崎独自に育まれた伝統的な文化のこと。
エレベーターには紫陽花のデザイン、かつての商⼈達が親交を深めた社交場をイメージしたロビーラウンジには眼鏡橋をイメージしたインテリアが。客室フロアの廊下のカーペットはレンガや石造り、ヨーロピアンタイルといった長崎ゆかりのモチーフをパッチワークのように落とし込んだ模様で、異国の影響を受けながら発展を遂げてきた長崎らしさを感じさせるデザインが随所に散りばめられています。
ホテルに到着すると、まず枇杷茶のウェルカムドリンクがお出迎え。長崎らしいおもてなしに、旅の疲れも癒されます。中庭には大きな楠木が生い茂るハーブ園が広がり、長崎港に乗り入れる異国の船が潮風を連れてきてくれるよう。港町ならではの風景が旅情を誘います。
館内にはフィットネスジムも併設。旅先でも健康的に身体を動かしたい方にうれしい、ダンベルやランニングマシンなどが一通り完備されています。
長崎らしいオリエンタルな風が吹くデザイン
客室は26平米~67平米までの広さの全66室。広々とした空間に、鳥や山が描かれた屏風が飾られたベッド、洋傘をイメージしたランプ、唐紙を組み合わせたようなデザインのクローゼット、タイル張りの浴槽付きバスルームアーチ状の窓が備えつけられ、ここも和華蘭テイストをMIXしたオリエンタルなムード。
長崎の街並みを一望できる屋外テラスが付いたプレミアムツインテラス付きや、正面玄関の上に佇む大天使ミカエル像を裏側から見られる1室限定のスタンダードキングなど、様々なタイプの部屋が用意されています。
滞在時には客室内にバンザイサイダーと、大村農園の不知火や梨のジュースといったローカルドリンクのミニバーも。ドリンクは定期的に銘柄を入れ替えしていく予定だそう。
ステンドグラス煌めく清らかな純白の聖堂レストラン
ホテル内で唯一のダイニング「レストラン カテドレクラ」は、純白の空間にステンドグラスが色鮮やかに煌めく聖堂レストラン。
サービスコンセプトは「新たな異文化が交わるガストロノミー」。和華蘭の要素を取り入れつつ新しさを感じる、イノベーティブなフュージョン料理を提供しています。
ひとつ上のフロアに別途個室があり、最大10人まで利用可能。メインダイニングを見下ろせるガラス張りで、ハレの日や記念日の集まりにおすすめです。
ディナーはシグネチャーの「ブランシュ(Blanche)」という全6品のコースを堪能。GOTOGINと長崎に自生する「ゆうこう」果汁を使ったシグネチャーカクテルとともにいただきます。すっきりとした味わいの中に柑橘の酸味が立つ、食事にあう一杯です。
アミューズは、水いかの炙り、エイヒレとからすみのクリームチーズディップ、鰺と“じゃがたらいも”のロールフリットのプレート。それぞれ一口でぱくっと食べやすいサイズに仕立てられています。
続くとらふぐの昆布締めは、身がぶりっとかみごたえがあり、ゆうこうと胡椒ソースでマリネ仕立てに。
魚介のコトリヤードは、定番の赤色でなく白く仕上げたブイヤベース。アナゴや鰆、足赤海老、アサリといった魚介をジャガイモのルイユと合わせたやさしい味わいです。
ヴィアンドの長崎和牛のパイ包焼きは、フォンドボーと赤ワインを煮詰めたソースに五香粉が香り立つ一皿。脂ののった長崎牛とバター香るパイが互いを引き立てあい、一口ごとにリッチな香りと風味が口いっぱいに広がります。
続いて運ばれてきたのは、塩サバの焼きおにぎり。長崎では飲んだ後の締めにおにぎりを食べる文化があり、そこから着想を得たメニューとのこと。はじめはそのままおにぎりをぱくり。最後はお椀の中にあごだしを注ぎ、味噌をといてお茶漬けにしてさらっといただきます。
お腹いっぱいでも食べやすい小さめサイズで、フレンチ要素のあるコースを、あごだしのほっこりする味で締めくくるというのが日本らしさを演出してくれています。
デザートはスイートスプリングという柑橘の優しい甘さが広がるブリュレを、こだわりのコーヒーとともに。コーヒーは苦味の落ち着いたフルーティな味わい。コーヒー好きな方はぜひトライしてみて。
なお、翌日の朝食はセミビュッフェスタイル。メインを和洋から選択し、サラダなどはビュッフェ台から好きなだけ各卓にもってくるスタイルです。
五感を刺激する、長崎体験を与えてくれる「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」は、単なる宿泊施設に留まりません。歴史、文化、そして食を通して、長崎の魅力を再発見できる場所。時空を超えた旅へと誘う、特別な一軒を長崎旅行の滞在先にしてみませんか。(女子旅プレス/modelpress編集部)
ホテルインディゴ長崎グラバーストリート
所在地:〒850-0931 長崎県長崎市南山手町12番地17
アクセス:長崎駅からタクシーで約8分
設備:本館:地上3階(地下1階)、北館:地上3階
本館地下1階:フィットネスジム、1階:フロント、ロビー、ラウンジ、レストラン「Restaurant Cathedreclat」、駐車場(3台)
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