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幻の高級ブランド「間人ガニ」はなぜおいしい? 日本人でもめったに食べられない希少性のワケは

幻の高級ブランド「間人ガニ」はなぜおいしい? 日本人でもめったに食べられない希少性のワケは

幻のカニとも言われる「間人ガニ」は、冬の京都を代表する冬の味覚として知られます。京都府北部で水揚げされる「間人ガニ」はなぜおいしいのか、高い品質を維持するための取り組みとともに食事処や土産店情報を紹介します。

数あるブランド蟹(カニ)の中でも最上級と評される「間人(たいざ)ガニ」は、京都府北部で水揚げされる“幻のカニ”として知られます。また、近海の「舞鶴かに」も名物。その味は絶品で、品質、食事処や土産店、カニごとの漁獲履歴などが分かるタグ導入なども合わせて紹介します。

「間人ガニ」は、なぜ希少価値が高い?

日本海で冬場に獲れるズワイガニの中でも、間人ガニは「大きく、身が詰まっていておいしい」と、首都圏などでも高い評価を受けています。希少価値が高いため、「幻のカニ」とも称されます。

その理由の1つは、「漁獲量が少ない」こと。間人ガニは京都府北部の京丹後市丹後町間人にある間人漁港で冬場に水揚げされ、その漁獲量は年間20トン程度です。

日帰り操業の小型底引網漁船5隻および限られた取引業者のみが、間人ガニに関わっています。漁場が近くて日帰り操業のために鮮度が高く、カニにしては珍しく「生食できる」のも貴重です。

最上級の“おいしさ”と特殊な生育環境

間人漁港での競りの様子。水揚げされた間人ガニが漁港に並ぶ(画像提供:京丹後市)
間人漁港での競りの様子。水揚げされた間人ガニが漁港に並ぶ(画像提供:京丹後市)


また、間人ガニのおいしさは特殊な「生育環境」が影響しています。カニが生息する深海部には、1年を通して水温が0~1℃の日本海固有水と呼ばれる水塊があり、エサとなる良質なプランクトンが生息しています。

漁船で漁獲したばかりの間人ガニを選別する様子(画像提供:京丹後市)
漁船で漁獲したばかりの間人ガニを選別する様子(画像提供:京丹後市)


さらに、地元の「京都府による資源管理」「生産者と流通業者を選別」することで間人ガニの高い品質を長年維持し続けてきました。2006年(平成18年)には、カニの産地として全国初の地域団体商標にも登録されています。

2024年は11月9日に初競りが行われ、最高値はオス5匹85万円(2023年は50万円)でした。漁船5隻でオス3758杯、メス1万5943杯が水揚げされ、昨年比で漁獲量はオス約2.2倍、メス約1.5倍に増加したとのことです。

カニ漁解禁の11月6日~翌3月末がシーズン

間人ガニの殻に詰まった身は繊細で甘美な味わい。焼いてもおいしい  
間人ガニの殻に詰まった身は繊細で甘美な味わい。焼いてもおいしい  


間人ガニの身に詰まったカニ肉は上質で繊細、その味は甘美であり、昔から多くの料理人や著名人らに愛されてきました。毎年11月6日にカニ漁が解禁され、翌年3月末までがシーズン。多くの旅行客が間人ガニなどを現地で味わおうと、京丹後エリアを訪れます。

この間人ガニを堪能するなら、京丹後エリアにある旅館に泊まるのがおすすめ。ランチで提供する食事処もあり、京都市内などからの日帰りも可能です。

例えば、京丹後市にある宿泊施設「KISSUIEN Stay&Food」では、カニのシーズンに合わせたメニューを提供。カニ刺しやゆでカニ、カニみそ、焼きガニ、カニしゃぶ、カニ天ぷらなどがコース料理や会席料理などで堪能できます。

この時期は、カニ料理とともに京丹後エリアの漁港で獲れる寒ブリやサワラなども新鮮な味わいが堪能できるのは現地ならではです。

「KISSUIEN Stay&Food」の料理長が手掛けたカニ料理の一例。天ぷらや甲羅焼をはじめ、刺し身などを地酒とともに味わえる。2024年4月にリニューアル、モダンな客室やホテル料理人が手作りする30種類以上の朝食に加え、地元食材を使うレストランなども併設されている
「KISSUIEN Stay&Food」の料理長が手掛けたカニ料理の一例。天ぷらや甲羅焼をはじめ、刺し身などを地酒とともに味わえる。2024年4月にリニューアル、モダンな客室やホテル料理人が手作りする30種類以上の朝食に加え、地元食材を使うレストランなども併設されている


日本海で獲れたズワイガニなどの魚介類を販売する「橘商店」は、お土産の立ち寄りスポットとして人気です。漁港から直接仕入れ、ズワイガニをはじめ旬の魚や貝などが新鮮かつリーズナブルに手に入ります。

京丹後市にある魚屋「橘商店」は旅行客に人気の土産スポット
京丹後市にある魚屋「橘商店」は旅行客に人気の土産スポット



ズワイガニの「セコ」って何のこと?

ズワイガニのメスは「セコ」と呼ばれ、オスと違う味わいが楽しめる
ズワイガニのメスは「セコ」と呼ばれ、オスと違う味わいが楽しめる


ズワイガニは、サイズが大きいオスとあわせて、小さいながら身が詰まって値段的にも買いやすい「セコ」と呼ばれるメスのカニもおすすめ。

さらに「白ちくわ」「さばへしこ」「ツボ羊羹(ようかん)」など、地元ならではの加工品も要チェックです。

「舞鶴かに」も旅行客に人気のブランド蟹

舞鶴漁港で水揚げされる「舞鶴かに」もブランド蟹として知名度がある
舞鶴漁港で水揚げされる「舞鶴かに」もブランド蟹として知名度がある


一方、同じ京都府北部の日本海で獲れるもう1つのブランド蟹が「舞鶴かに」です。こちらは舞鶴漁港に水揚げされたズワイガニの中で、重さ800g以上かつ姿が整ったものだけが、舞鶴かにとして認定されます。

生まれてから7~8年、何度も脱皮を繰り返して成長し、身がぎっしり詰まった上質な舞鶴かには、生きたまま競りにかけられます。地元の舞鶴市内のほか、京阪神などへ出荷されます。

京都府舞鶴市にある舞鶴地方卸売市場で水揚げされたばかりの魚と競りの様子
京都府舞鶴市にある舞鶴地方卸売市場で水揚げされたばかりの魚と競りの様子


舞鶴かにと同時期に獲れる冬の魚介類としては、脂がのって身が柔らかく甘みもある「京鰆(きょうさわら)」、海のミルクと呼ばれるほど栄養価の高い「舞鶴かき」も有名です。

「道の駅 舞鶴港とれとれセンター」には日本海側最大級の海鮮市場があり、舞鶴かにをはじめ旬の魚が一堂にそろう
「道の駅 舞鶴港とれとれセンター」には日本海側最大級の海鮮市場があり、舞鶴かにをはじめ旬の魚が一堂にそろう


京都最大の水揚げ量を誇る舞鶴市にある「道の駅 舞鶴港とれとれセンター」は、舞鶴かにや鮮魚を買う、お土産探しにも便利な施設。特に、その場で買った鮮魚を刺身や焼物などに調理してもらって食べられるスペース、海鮮丼や寿司屋などもあり、いずれも旅行客に人気です。

京都は日本海の「海の幸」が集結する一大グルメスポット

京都府産ズワイガニは、すべてにQRコード付きの緑色のタグ(プレート)が取り付けられている(画像提供:京丹後市)
京都府産ズワイガニは、すべてにQRコード付きの緑色のタグ(プレート)が取り付けられている(画像提供:京丹後市)


2024年からは、京都府の主な漁港でカニに取り付ける二次元バーコード付きタグ(プレート)が全国で初めて導入されました。漁獲したズワイガニに、緑のタグが付いています。

タグの表にはアルファベットと数字、裏にはQRコードが印字されています。QRコードを読み取り、表示されるWebサイトで番号を検索すると、水揚げ日や漁船名などが、いつでもどこでも誰でも確認できるようになりました。

タグにあるアルファベットと数字を検索すると水揚げされた日や漁船の名前などが表示される ※一部加工(All About編集部)
タグにあるアルファベットと数字を検索すると水揚げされた日や漁船の名前などが表示される ※一部加工(All About編集部)


間人ガニ、舞鶴かに以外にも、京都府北部は「海の幸」が一堂に集まる宝庫。

カニのシーズンである冬は、ブリ、冬イカ(ヤリイカ)、マガレイ(アカガレイ)など。春になるとイサザ(シロウオ)、マダイ、ハタハタなど、夏はトビウオ、マアジ、サザエ、岩ガキなど、秋はサワラ、秋イカ(アオリイカ)、アコウ(キジハタ)、ノドグロ(アカムツ)などが、それぞれ代表的な魚介類です。

つまり1年を通して多彩な魚貝などを味わうことができ、しかも鮮度は地元ならでは。

中でも冬は、やはり特別な時期。温泉や絶景とともに、舌がとろけるがごとくおいしいカニ料理や数多の海の幸が待っています。

<参考>
「海の京都 観光圏」


執筆者:シカマ アキ( 飛行機の旅ガイド)


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