まもなく見頃!奈良でみつけた親子で楽しめるコスモス迷路
奈良県中部に位置する桜井市と言えば、素麺発祥の地であり、『三輪素麺』の生産地として有名ですが、日本最古の道である『山の辺の道』が市内を通り、名高い古墳や社寺も点在しています。
特に日本最古の神社とも言われている『大神神社』や、西国三十三所の第八番札所『長谷寺』、邪馬台国・卑弥呼の墓ではないかと考えられている『箸墓古墳』などが有名です。
今回は、そんな桜井市にある『安倍文殊院』をご紹介します。なお、写真は筆者が2021年の9月に撮影したものです。
■日本三文殊の一つ
画像:東ポチ
飛鳥時代、大化の改新の時に左大臣として登用された安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)が氏寺として安倍寺を建立したのが、安倍文殊院の始まりです。切戸文殊(京都府宮津市)、亀岡文殊(山形県高畠町)とともに
日本三文殊に数えられているそうです。
なおアクセス方法は、JR・近鉄各線の桜井駅から徒歩20分ほどです。
画像:東ポチ
まずは本堂からご紹介します。
画像:安倍文殊院
本堂には渡海文殊群像(とかいもんじゅぐんぞう)が安置されています。特に東大寺南大門の金剛力士像などを制作した、鎌倉時代の仏師である快慶作の騎獅文殊菩薩像(きしもんじゅぼさつぞう)と善財童子像(ぜんざいどうじぞう)は、安倍文殊院のシンボル的存在です。※堂内は撮影禁止です。
騎獅文殊菩薩像の像高は約7mで、これは文珠菩薩像としては日本一の大きさなのだそうです。
画像:東ポチ
こちらは『金閣浮御堂(きんかくうきみどう)』。阿倍仲麻呂(あべのなかまろ・安倍仲麻呂)像と安倍晴明(あべのせいめい)像などを祀るお堂です。阿倍仲麻呂は奈良時代の717年に、遣唐使として吉備真備(きびのまきび)とともに渡唐。その後、唐の難関試験である科挙(かきょ)に合格し、皇帝・玄宗(げんそう)に才を認められて大出世を果たしたとされています。しかし帰国の際に暴風に遭い、故郷・大和国に戻るという願いは叶わず、唐の地で73歳の生涯を終えたのだそう。
画像:東ポチ
阿倍仲麻呂が帰国の際に、月を見て故郷をなつかしんで詠んだとされる「あまの原 ふりさけ見れば 春日(かすが)なる 三笠(みかさ)の山に 出でし月かも」という歌は百人一首に収録され、歴史の教科書にも登場する有名な歌です。歌の意味は「天を仰いではるか遠くを眺めれば、月が昇っている。あの月は春日(奈良)の御蓋山(みかさやま)に昇っていたのと同じ月なのだなぁ」です。
なお、安倍晴明は平安時代に活躍した陰陽師で、この地で生まれたと伝えられています(※諸説あり)。安倍文殊院がある桜井市阿部は、安倍一族発祥の地なんだそうです。
■特別史跡がある珍しいお寺
画像:東ポチ
安倍文殊院の境内には2つの古墳があります。その内の一つが、この文殊院西古墳です。飛鳥時代の645年頃に築造された古墳で、切り石の美しさや素晴らしい加工技術から“日本一美しい古墳”と言われているそうです。また明日香村にあるキトラ古墳や石舞台古墳、高松塚古墳とともに特別史跡に指定されています。なお、文殊院西古墳は古来より、安倍寺の創建者とされる安倍倉梯麻呂の墓であると伝えられています。
■秋はコスモス迷路が楽しめる
画像:東ポチ
毎年9月中旬~10月中旬には、境内のコスモスが見頃を迎えます。
画像:東ポチ
地元の幼稚園や保育所の園児たちも、このコスモス迷路を楽しみにやってくるそうです。
画像:東ポチ
コスモス迷路の完成度は高く、大人の筆者でも何度も行き止まりに遭遇しました。
画像:東ポチ
<施設詳細>
安倍文殊院
住所:奈良県桜井市阿部645
電話番号:0744-43-0002
最寄駅:近鉄大阪線・JR万葉まほろば線『桜井駅』
拝観時間:9:00~17:00
本堂拝観料:【大人・中・高校生】700円【小学生】500円(各税込)
駐車場:500円(約200台)
コスモスの花も様々な品種があるので、迷路で迷ってもまったく苦ではありませんでした。ぜひみなさんも足を運んでくださいね(取材・文/東ポチ)
【画像】
※ 東ポチ/安倍文殊院
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