お取り寄せもできる!本場イタリア仕込みのジェラート専門店「シンチェリータ」
アイスクリームにアイスパン、かき氷など、近年、寒い季節にも人気の冷たいスイーツ。では、オリジナルの本格的なジェラートはいかがですか?<前編>に続き、気軽にふらりと立ち寄りたくなる阿佐ヶ谷のジェラテリア「シンチェリータ」をご紹介します。
産地をめぐり、地元の商店とも手を携えて
店の向かいには昔ながらのおせんべい屋さん。そのまた隣には可愛らしいお花屋さん……。シンチェリータがあるのは、そんな阿佐ヶ谷の街角です。年間に登場するのは約200種類ものフレーバー。ジェラートマイスターの中井洋輔さんに、その発想について訊いてみると、「基本的には素材ありきです」という答え。季節を問わず旬の素材を大切にしてジェラートづくりを続けているそうです。 中井さんが産地めぐりをすることもめずらしくありません。生産者と果物や野菜の育て方や土の話をしたり、ときにはジェラートとは関係ない話で何時間もおしゃべりが弾んだりすることも。
また、阿佐ヶ谷に店を構える豆腐屋さんや珈琲屋さんの食材を使うなど、地元生産者とのつながりも大切にしています。「ジェラートをきっかけに、阿佐ヶ谷という街が盛り上がっていけばうれしいですね」と中井さんは話します。
ジェラートはイタリア人にとって身近な存在
中井さんは、インテリアデザインの勉強のため渡伊していた経験があります。日本のあちらこちらにコンビニがあるように、イタリアの街にはたくさんのジェラテリアがあるのだとか。なかには、駅や街角などで新聞などを売るキオスクや菓子店でジェラートを販売していることも。「イタリア人にとってジェラートはとても身近な食べ物なんです。誰もが日常的に足を運び、さっと食べてさっと帰る。ジェラテリアが集いの場にもなっていますね」と中井さん。
いまでも年に1回はイタリアへ行き、ジェラートの情報を収集したり、食材をめぐり地方へ足をのばしたり。また、ジェラートの流行を肌で感じることも貴重な経験になっているようです。
ほっとひと息つけるジェラテリアへ
店名のシンチェリータは、「誠実」という意味を持ちます。「それほど深く意味を考えずに語感などで名付けました。でも、いまとなってはジェラートづくりに対して“誠実でありたい”という想いが強く、この名前にしてよかったと思います」と中井さん。
今後、つくりたいフレーバーについて訊いてみると、過去につくったパンのジェラートに再度挑戦する予定だとか。「小麦粉の風味が感じられるジェラートを追求してみたい」と、意欲的です。
まだまだ日本では数少ないジェラート専門店ですが、中井さんは、日本にジェラートという食文化を根付かせたいと考えています。「ほっとひと息つけるジェラテリアになれたらうれしいですね」と中井さん。
素材の持ち味がぎゅっと詰まったシンチェリータのジェラート。寒い季節だからこそ楽しめるフレーバーもたくさんあります。お取り寄せもできるので、「こたつでジェラート」なんて楽しみ方もできますよ。
writer / 酒井 牧子 photo / キムラ ミハル
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