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【日本三奇橋】見惚れる…江戸時代に架けられた「5つの美しいアーチ」が連なる山口・岩国の錦帯橋

【日本三奇橋】見惚れる…江戸時代に架けられた「5つの美しいアーチ」が連なる山口・岩国の錦帯橋

祖谷のかずら橋、猿橋とあわせて「日本三奇橋」と呼ばれる岩国の錦帯橋。大洪水にも耐えられるように……との人々の願いを汲みとって江戸時代に設計された美しいアーチ型の橋は、どこから見ても絵になる橋です!

街と街、そして人と人との交流を支えてきた橋。歴史を重ねるにつれて名所となった橋は、日本国内にたくさんありますね。

しまなみ海道、瀬戸大橋、大鳴門橋や通潤橋などさまざまな橋がありますが、今回は山口県の岩国にある「錦帯橋」をご紹介します。

祖谷のかずら橋(徳島県)、猿橋(山梨県)とあわせて「日本三奇橋」と呼ばれる特異な形の錦帯橋は、美しいアーチが連なる独特の形をした橋。どこから眺めても絵になる橋なのです。

5つの美しいアーチが連なる錦帯橋の歴史

山口県下で一番大きな川、錦川にかかる錦帯橋(2022年6月撮影)
山口県下で一番大きな川、錦川にかかる錦帯橋(2022年6月撮影)


錦帯橋は、山口県の東部、岩国市の錦川(にしきがわ)にかかる橋。一番最初に架けられたのは江戸時代の1673年という長い歴史を持つ橋です。

錦帯橋から錦川の上流を望む(2022年6月撮影)
錦帯橋から錦川の上流を望む(2022年6月撮影)


錦帯橋がかかる錦川は、山口県下で一番大きな川であり、錦帯橋の付近は川幅が200メートルにも達します。

錦帯橋から錦川の下流を望む(2022年6月撮影)
錦帯橋から錦川の下流を望む(2022年6月撮影)


この川には過去に何度も橋が架けられたのですが、錦川の氾濫により橋が流されてしまった経緯があり、時の岩国藩藩主・吉川広嘉(きっかわひろよし)の命により、中国の西湖にあるという橋を参考にして、今のアーチ型の構造を持った錦帯橋が架けられました。

しかし初代の錦帯橋は、1年後の錦川の洪水であえなく流失の憂き目に。この時の流失原因を徹底追求して改良を重ねた2代目の錦帯橋は、1950年の台風による大洪水で流されてしまうまで実に276年もの間、錦川の激流に耐えて人々をつなぐ橋としての機能を果たしました。

現在の錦帯橋は1953年に架け替えられた3代目。2004年に全面改修されている(2022年6月撮影)
現在の錦帯橋は1953年に架け替えられた3代目。2004年に全面改修されている(2022年6月撮影)


そして2代目錦帯橋の流失から3年後には3代目となる錦帯橋が再度かけられました。ただ木製の橋だけに傷みも早いことから、平成時代に3年間の架け替え&補強工事が行われ、2004年に無事完了。古き昔も今も岩国の観光の中心的存在として、日々たくさんの観光客が訪れています。

錦帯橋を渡り、岩国城の天守閣へ

錦川の左岸から右岸へ、錦帯橋を渡る(2022年6月撮影)
錦川の左岸から右岸へ、錦帯橋を渡る(2022年6月撮影)


それでは錦帯橋を渡りましょう。橋の入口で入橋料を支払って渡り始めます。

5連のアーチ橋を渡る感覚は、神社によくある太鼓橋を渡るのに似ていますね。改めて錦川の川幅の広さがわかります。

対岸の山の上にある岩国城を眺めながら、錦帯橋を渡る(2022年6月撮影)
対岸の山の上にある岩国城を眺めながら、錦帯橋を渡る(2022年6月撮影)


錦帯橋を渡る途中、右手前方の小高い山の上に見える城は、岩国城の天守閣。橋を渡った先にある吉香公園(きっこうこうえん)の中にある岩国城ロープウェーに乗車すると、山頂に上って岩国城まで行くことができます。

錦帯橋の入橋料とロープウェーの往復、岩国城の入場料をセットにした割引チケットもありますので、岩国城まで行く場合は割引チケットを使うといいでしょう。

錦川の右岸から見た錦帯橋(2022年6月撮影)
錦川の右岸から見た錦帯橋(2022年6月撮影)


対岸まで渡ると、また違った雰囲気の錦帯橋の姿が望めます。入橋料は往復分の料金で、チケットは戻る際にも必要になりますのでなくさないように。

岩国城の天守閣から眺める錦帯橋のパノラマ

錦帯橋から見上げた岩国城の天守閣。ここから錦帯橋を見下ろせる(2022年6月撮影)
錦帯橋から見上げた岩国城の天守閣。ここから錦帯橋を見下ろせる(2022年6月撮影)


続いては錦帯橋をパノラマで見られる場所にご案内しましょう。

錦帯橋からも姿を見ることができた岩国城の天守閣です。

錦帯橋と岩国城ロープウェー(2007年8月撮影)
錦帯橋と岩国城ロープウェー(2007年8月撮影)


岩国藩を治めた吉川氏の居館跡を整備した吉香公園の中にある山麓駅から、岩国城ロープウェーに乗って山頂駅までわずか3分ほどの空中散歩。

岩国城ロープウェーと錦川(提供:山口県観光連盟)
岩国城ロープウェーと錦川(提供:山口県観光連盟)


山頂駅から歩いて5分ほどの距離に岩国城があります。

錦帯橋から見上げた岩国城の天守閣をズームアップ(2022年6月撮影)
錦帯橋から見上げた岩国城の天守閣をズームアップ(2022年6月撮影)


小高い山の上にある岩国城は、初代岩国藩藩主・吉川広家が1608年に築城した城。ただし江戸幕府の一国一城令に基づき、築城からわずか7年で取り壊されたという史実を持ちます。

岩国城の天守閣。1962年に造られた復元天守(2007年8月撮影)
岩国城の天守閣。1962年に造られた復元天守(2007年8月撮影)


岩国城が復元されたのは1962年のこと。当初の位置とは少し場所が変わっており、錦帯橋からよく見える位置に移設した上で復元されました。

岩国城天守閣から錦川と安芸灘を望む(2007年8月撮影)
岩国城天守閣から錦川と安芸灘を望む(2007年8月撮影)


内部にはたくさんの資料展示があり、最上階に上るとそこは展望スペース。岩国市街はもちろんのこと、瀬戸内海・安芸灘に浮かぶ小さな島まで見通すことができます。

眼下には、市内を大きく横切る錦川と、先ほど渡ってきた錦帯橋をパノラマで見ることが可能です。

錦川にかかる橋の数を見ると、錦帯橋が岩国に住む人々の往来にいかに役立ってきたかがわかります。いつまでも眺めていたい、そんな風景ですね。

岩国に来たら食べたい岩国寿司

岩国の名物料理、岩国寿司とレンコンが入った厚揚げ、うどんのセット(2007年8月撮影)
岩国の名物料理、岩国寿司とレンコンが入った厚揚げ、うどんのセット(2007年8月撮影)


せっかく岩国まで来たので、おいしいものも食べておきたいところ。

岩国名物の料理といえば「岩国寿司」。簡単にいえばちらし寿司を押し寿司にしたものですが、特産品である岩国れんこんの酢漬けや錦糸卵、アナゴの煮付け、でんぶなどの豪華な具が入っていて、岩国ではめでたい席に必ず出される料理とのこと。錦帯橋周辺のお店で食べられるので、機会があれば、ぜひ食べてみることをおすすめします。

日本三奇橋の一つ、錦帯橋をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

岩国は山口県の一番東端に位置しているので、お隣の広島県にある世界遺産・宮島からも1時間強で行くことができます。昔の日本人の英知を実感しに、錦帯橋まで出かけてみてください。

錦帯橋へのアクセス

錦帯橋の最寄りとなる錦帯橋バス停。岩国駅・新岩国駅からのバスが止まる(2022年6月撮影)
錦帯橋の最寄りとなる錦帯橋バス停。岩国駅・新岩国駅からのバスが止まる(2022年6月撮影)


アクセス:
<飛行機>
岩国錦帯橋空港から岩国駅東口行きの空港連絡バスに乗車して、岩国駅へ。
広島空港からは広島駅新幹線口行きのリムジンバスに乗車し、広島駅よりJR山陽線で岩国駅へ。
または白市駅行きの芸陽バスに乗車して、白市駅からJR山陽線に乗り継ぐことも可能。

JR山陽線 岩国駅と錦帯橋経由で新岩国駅に向かういわくにバス(2022年6月撮影)
JR山陽線 岩国駅と錦帯橋経由で新岩国駅に向かういわくにバス(2022年6月撮影)


岩国駅からは、錦帯橋または新岩国駅行きのいわくにバスに乗車して錦帯橋バス停下車。

<鉄道>

山陽新幹線 新岩国駅(2022年6月撮影)
山陽新幹線 新岩国駅(2022年6月撮影)


山陽新幹線 新岩国駅から岩国駅行きのいわくにバスに乗車し、錦帯橋バス停下車。またはJR山陽線 岩国駅から錦帯橋または新岩国駅行きのいわくにバスに乗車し、錦帯橋バス停下車。

<高速バス>
東京駅と山口・萩を結ぶ「萩エクスプレス号」(防長交通バス)が岩国駅に停車します。岩国駅から先は<鉄道>のルートと同じです。

<車>
広島空港から河内インターチェンジを経由して山陽道へ。広島岩国道路を経由して岩国インターチェンジから国道2号線に入り、錦帯橋へ。錦帯橋周辺に駐車場があります。


執筆者:村田 博之(名所・旧跡ガイド)


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