初めての西オーストラリア旅はパースから!シティ~港町フリーマントルまで遊び尽くす
西オーストラリア州の首都パースは、都会のビル群と美しい自然の調和が心地よい街。ショッピングやグルメを楽しみ、美術館、博物館で地域のカルチャーに触れたら、余裕があれば郊外にある19世紀植⺠地時代の面影漂う港町・フリーマントルにもぜひ足を延ばしたいところ。今回はパース中心部+近郊を旅した体験レポートをお届けします。
緑と水辺に恵まれた美しい都市パース
日本から直行便でおよそ10時間、オーストラリア大陸の西側3分の1を占める西オーストラリア州。その州都パースは、食、観光、マリンスポーツなど旅行者の好奇心をくすぐる要素満載の街。
かつて、パースが⿊⿃(ブラックスワン)の生息地だったことからその名がついたスワン川を囲むように栄える市街地、スワン川流域に広がる街並みと青空を見渡せるキングスパークに代表されるように、都会と自然がバランス良く共存。温暖な気候に恵まれ、電車やバスなどのインフラもしっかり整っており、実際に訪れてみると“世界で最も住みたい街”と称えられることがあるのにもうなずけます。
パースの中心部・シティの目抜き通りであるマレーストリート(Murray Street)とヘイストリート(Hay Street)は、ブティックや飲食店が連なり、歩行者天国も整備された商業のメインエリア。
最高裁判所に隣接するスプリーム・コート・ガーデンズは、賑やかな市街地にありながら植物や花々の彩りが癒しをくれる都会のオアシスのような存在。ジェームズ・スターリング氏がかつてこの地にパースを設立しようと決めたことにちなんだ銅像も建てられています。
ちなみにこの公園には、今にもこちらに向かってジャンプしてきそうな躍動感のあるカンガルー像もあるのですが、単に国内の棲息頭数が多いというだけでなく、カンガルーは後ろに進めない性質をもつことから、常に前を向いて行こう、というポジティブなシンボルの象徴でもあるのだそう。
⻄オーストラリア州の州⿃である⿊⿃が建築モチーフになったベルタワーやスワン川沿いのエリザベス・キーは、今のパースの姿を見渡せる人気のスポット。
川に架かる優雅な曲線状の橋をのんびりお散歩がてら渡れば、そこは絶好の撮影ポイント。洗練された街並みをちょうど正面からカメラに収めることができます。
もしエリザベス・キーに来たなら、入江に面した地ビール醸造所併設のレストラン「ザ・アイランド」へ。
ウォーターフロントならではの開放的な雰囲気の中、西オーストラリア産ワインや地ビールと一緒に頂く、焼きたてピザやシーフードプラッターは格別。眺めの良いテラス席もあるのでランチ利用はもちろん、ディナーでは夜景も綺麗です。
歴史的建造物と近代建築が隣り合う美しい街並み
パースの街を歩くと、近代的な高層ビルの狭間に、ステンドグラスが美しいゴシック様式の聖ジョージ大聖堂や、昔は州政府の合同庁舎や中央郵便局として利用されていた建物をリノベーションしたステート・ビルディングと、パースの歴史に名を刻んできた建造物が隣り合うように建ち並んでいます。
⻄オーストラリア州ではローカルの企業やブランドを応援しようとする風潮があり、特にカフェ・コーヒーカルチャーにおいてその傾向が顕著です。パースでも有名なグローバルカフェチェーンをあまり見かけない一方で、個人経営のカフェがそこかしこにあることからもその風土がよくわかるはず。
ステート・ビルディング内の人気カフェ、テレグラム・コーヒーを筆頭に、優れたローカルのカフェが至る所にあるので、毎日違うカフェを巡るのも楽しいでしょう。
今回はエクスチェンジタワー内のリトルエンジェルというカフェでコーヒータイム。一見、ビジネスビルのような風貌のエントランスを抜けてすぐの場所で営業している小規模なカフェで、ベーグルや焼き菓子も豊富に揃っています。オーダーに迷ったらフラットホワイトとホットチョコレートがおすすめ。
美術館や博物館で歴史とカルチャーに触れる
西オーストラリア州の歴史・芸術・文化に興味があるなら、2020年に大規模改装を終えた「西オーストラリア州⽴博物館ブーラ・バルディップ(WA Museum Boola Bardip)」は避けて通ることができません。
先住⺠ヌガー族の言葉でたくさんの物語(=Boola bardip)という意味をもつこの博物館は、8つの常設展示と企画展で構成され、人々、大地、世界(社会)における役割など、西オーストラリア州の様々なストーリーを共有する場として一般に開かれています。
エントランス前の広々としたオープンな広場は、カルバリー国立公園にあるネイチャーズウィンドウにインスパイアされたもの。一般市民がアクセスしやすいようなデザインで造られているといい、実際に内部を巡ると凝った展示空間が印象的。
絶滅したタスマニアンタイガーやタスマニアディンゴの骸骨が展示された“ワイルドライフギャラリー”、西オーストラリア州がインド洋の向こうの他国と海で繋がっていることを感じられる“コネクションギャラリー”、宇宙や大陸の起源をテーマに貴重な鉱物をはじめとする展示が集まる“オリジンギャラリー”など、テーマ別にギャラリーが分かれて点在しています。
天井に吊るされた巨大なシロナガスクジラの全⾝⾻格や、大胆なタッチで描かれたアボリジナルアートなど、普段博物館を訪れる習慣がなくとも、視覚で驚きや感銘を受けられるような展示品が多く、英語に不慣れな方でも珍しい展示を眺めるだけで十分楽しめるはず。
ワイルドフラワーや木々が生い茂る「キングスパーク」からパースの街を一望
パース観光をするなら、中心部より1.5キロの丘の上に広がる「キングスパーク」はぜひとも訪れてみてほしいところ。
「キングスパーク」は、都市にある公園としては世界最大級の約400ヘクタールにおよぶ広大な敷地に、長寿のバオバブの巨木や多種多様な野生の花々=ワイルドフラワーが咲く、美しき自然公園。この園内だけで、西オーストラリア州固有の3,000種を超える植物が生育されています。
園内の3分の2は低木林として保護され、少し散策するだけでもレモンユーカリ、グラスツリー、ソルトブッシュと日本では見かけない木々が至る所に根を張っています。まさに、植物が生い茂り野鳥が歌う、自然のパワー漲るネイチャースポットです。
特に戦没者記念碑がある広場からの眺めは必見。丘の上にあるため、エリザベス・キー周辺のビル群とスカイライン、スワン川・キャニング川の2つの交わり、ダーリング丘陵までを一望できます。コーヒー片手にお散歩したり、綺麗に手入れされた芝生でピクニックをしたりと、のんびりローカル気分で過ごしたいところ。
夕日を眺める特等席で頂くモダン・オーストラリア料理「オデイッシー」
市民が思い思いに過ごす憩いの場、シティビーチ沿いにあるレストラン「オデイッシー」は、サンセットタイムにぜひとも訪れたい一軒。
この沿岸は美しい夕日が見られることからサンセットコーストと呼ばれ、ビーチには水着姿でのんびりチルな時間を過ごすローカルの人々が。「オデイッシー」はそんな最高のロケーションできらめく夕日を眺めながら、モダン・オーストラリアン料理を頂けます。
地元の生産者より仕入れた旬の食材にこだわった料理は、シェルクラブやマーケットフィッシュ(今回はバラマンディ)、サラダ、フライドポテトなど、どれも美味しいものばかり。バラマンディは⾼級⿂で、ふっくらとした⽩⾝のグリルは臭みもなく淡⽩なため、日本人の舌にもよく合うお味。
ちょうどサンセットの沈む方角に窓が向いており、特に窓際席はたっぷり日差しが差し込む造り。美味しいお料理とサンセットに、フレッシュなオーストラリアワインがつい1杯、2杯と進みます。ただし人気店なだけあり、月曜日の利用時でも満席だったのでできれば事前の予約がおすすめです。
6つの季節を意識したコース料理をオーストラリアワインと共に「ワイルドフラワー」
パース中心部でとっておきの食体験をするなら、質の高い飲食店が集まるステート・ビルディング内のホテル「コモ・ザ・トレジャリー」のメインダイニング「ワイルドフラワー」へ。
日本では春夏秋冬の4つの季節がありますが、この地の先住民族は季節を6つに分けて認識していたそう。こちらでは、ブッシュ・タッカーと呼ばれる先住⺠アボリジナルが伝統的に⾷してきた食材を使用し、6シーズンそれぞれの時期に合わせたコンテンポラリー料理をコース形式で提供しています。
今回頂いたのは4品のテイスティングコース。まず歓迎のしるしとして、チックピーのフィンガーフードが。温かいフムスのような味の生地に、店名にもあるフラワーを添えたコースの始まりにふさわしい一品です。
前菜はアルバニー産のアスパラガス。薄いくスライスしたアスパラガスにアヒルの卵のマヨネーズと、ジェラルトンワックスという花を添えた一品で、マーガレットリバーのオーガニックワイナリー、Si Vintnersの華やかなロゼワインと相性ぴったり。ちなみに、ワイン好きなら料理ごとに相性の良いワインを合わせてくれるペアリングを追加注文するのがおすすめ。
魚料理はシャークベイ産のピンクスナッパーという鯛を、エビのビスクソースと香り高いフェンネルと共に。同じくマーガレットリバーより、ここではスモールバッジのブティックワイナリー、Evoiのシャルドネを合わせて。オークとクリーミーなバターの香り、わずかな酸味の効いたシャルドネが、繊細な白身魚の味を邪魔しません。
メインの肉料理は西オーストラリア州のファーム、リンレイバレー産のポークロインと、ネイティブのほうれん草、ゴールデンビーツという一皿。肉汁を煮詰めたソースに、マカダミアオイル、マスタードシードをアクセントに添え、やわらかな肉質のローストの旨味を味わい尽くせる一品に仕上げています。
デザートは、オーストラリアに自生する木、サンダルウッドと名付けた一品。スポンジにミルククランブル、梨ソルベ、チュイルを添えた一皿で、こちらはマーガレットリバーの老舗ワイナリー、カレンのデザートワインと共に頂けます。
店内がムーディーな雰囲気である一方、風通しの良いルーフトップエリアも完備。選りすぐりのワインと共に素晴らしい⾷体験が楽しめる、⻄オーストラリア州随⼀のファインダイニングの⼈気店なので事前の予約はマストです。
開拓時代の面影漂う、海辺の観光地フリーマントル
パース中心部から電車で30分。スワン川河口の港町フリーマントルは、植民地時代の美しいコロニアル調の建物が今なお残り、お洒落なレストランやカフェも立ち並ぶ、シティとはまた違った魅力に溢れたエリア。
西オーストラリア州の建造物として初めて世界遺産登録された旧フリーマントル刑務所や、西オーストラリア州最古の建物であるラウンド・ハウス、1897年より続くフリーマントル・マーケットと、あちこちに開拓時代からの遺産が残る地区です。
毎週金~日曜にマーケットが開くため、できればこのタイミングを狙って訪れましょう。
マーケットのあるエスプレッソ通りは、お洒落なスイーツ店やカフェがストリート沿いにいくつも連なり、カフェの多さからその名がついたそう。
1901年に開港したフリーマントル港には、大小いくつもの船が係留され、近隣には潮風を感じられるハーバーレストランがいくつも営業しています。この港には 「アイ ラブ フリオ(I LOVE FLIO※FLIO=フリーマントルの略称)」と書かれたモニュメントがあり、このアルファベットをデザインしたお土産品は旅の記念におすすめです。
「シセレロス」で大きな絶品エビに豪快にかぶりつく!
フリーマントルで食事をするなら老舗のシーフードレストラン「シセレロス」へ。名物のフィッシュ&チップスやシーフードの盛り合わせといった、新鮮な海の幸を活かした料理が自慢の人気店で、店内中央に魚が泳ぐ巨大水槽があり、水族館に来たかのような気分で飲食を楽しめます。
今回はちょっと贅沢に伊勢エビプレート、ムール貝のチリトマトソース煮込み・チリマッスル、オイスター、イカフライを注文。
グリルされた伊勢エビは口いっぱい頬張れるほどたっぷり身が詰まっていて、ボリューム満点!サラダも添えられていて栄養面もばっちり。晴れた日はウッドデッキの屋外席がおすすめです。
パース旅行の拠点に選びたいおすすめホテル2軒
洗練された都市であるパースには、ラグジュアリー系からデザイナーズ系まで個性的なホテルがたくさん。今回は滞在を充実させてくれる2つのホテルを厳選してご紹介します。
・ザ・リッツ・カールトン・パース
「ザ・リッツ・カールトン・パース」は、エリザベス・キーに佇む全205室のラグジュアリーホテル。シャンデリアがきらめく高さ13メートルの開放的なロビーの先に、メインダイニング・Hearth(ハース)、バー・Songbird(ソングバード)、スパ施設、そしてエリザベス・キーを望む温水の屋外インフィニティプールなどを完備。
床から天井まで届く客室の窓から美しいスワン川周辺の風景を眺められ、特に素晴らしい景色と共に朝日をめいっぱい浴びる気持ちよさは格別。ベルタワーまでも歩いてすぐ。外に出るのが勿体なく感じてしまう、ホカンスにうってつけの一軒です。
・QT パース
洗練されたローカルの空気を感じるなら「QTパース」へ。黒を基調にカラフルな色使いやアートが館内全体を彩るブティックホテルで、モダンなデザインと色使いが光る客室は非常に女子旅向き。
モダンイタリアンダイニング・サンティーニグリルでは、オイスターやピザ、パスタ、ニョッキなどと共にオーストラリア産ワインをカジュアルなムードの中で頂けます。また、屋上のルーフトップバーはダンスミュージックを聞きながらカクテル片手にローカルの人々が語らう人気のナイトスポットです。
オールシーズンで観光しがいのある西オーストラリア州へ
今回の旅は12月上旬の訪問でしたが、オーストラリアは南半球にあり日本と季節が真逆のため、太陽の日差しが眩しく夏らしい天候に恵まれた一方で、半袖や薄手の長袖で快適な温度感だったので常に快適に観光を楽しむことができました。
ちなみに現地ガイドの⽅いわく、オーストラリアの冬にあたる6〜7⽉は観光客が避けがちな時期ですが、パースは冬でも雪が降らず⽇本の冬ほどぐっと冷え込むこともないそう。地中海性気候で四季も楽しめ、年間を通して寒暖差が穏やかなので、オールシーズンで観光を満喫できます。
景観美と都市での暮らし、伝統と最先端のカルチャー、グルメなど多岐にわたる魅力に富んだ西オーストラリア州。まずはパースからその魅力の一端を感じとってみてはいかがでしょうか。(女子旅プレス/modelpress編集部)
※記事は女子旅プレスの調査及び主観に基づくものであり、店舗のサービスが保証されるものではありません。
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