渋沢栄一ゆかりの地を巡る、東京&埼玉のレトロな大人女子旅のすすめ
2024年度から新1万円札の顔となる渋沢栄一氏。実に500社にのぼる企業設立に携わり、“近代日本経済の父”と称される彼の経歴は、映像作品や書物で描かれることもしばしば。私達にはあまり馴染みのない偉人と思うことなかれ、現代の生活に欠かせないホテル、劇場、銀行、鉄道など様々な事業の基盤にも深く関わっていたって知っていましたか?没後90年の節目に、彼の出生地・埼玉県深谷市、及び東京都内のゆかりのスポットをめぐる週末プチトリップをしてみましょう。
目次
- 渋沢栄一の人生の拠点・王子飛鳥山で変化を恐れぬ生き様を知る(東京)
- 渋沢栄一の私邸があった「旧渋沢庭園」と「晩香廬」「青淵文庫」(東京)
- 約100種200株のバラ×洋館のコントラストが美しい「旧古河邸」「旧古河庭園」(東京)
- 東京の玄関口、赤レンガ造りの壮麗な駅舎「東京駅(丸の内駅舎)」(東京)
- 一度は泊まってみたい…格式高き名門ラグジュアリーホテル「帝国ホテル 東京」(東京)
- リアルなアンドロイド展示も!故郷・深谷で渋沢翁への知見を深める「渋沢栄一記念館」(埼玉)
- “埼玉日光”と呼ばれる縁結びスポットって?熊谷が誇る絢爛豪華な「妻沼聖天山」(埼玉)
- 養蚕業について学べる農村ミュージアム「カネ本蔵(かねもとぐら)」(埼玉)
- 元酒造跡がレトロな映画館やカフェが集まるスポットに!「七ツ梅酒造跡」(埼玉)
渋沢栄一の人生の拠点・王子飛鳥山で変化を恐れぬ生き様を知る(東京)
東京都内で渋沢翁ゆかりのエリアといえば北区、王子飛鳥山エリア。渋沢翁にとって北区とはおよそ30年間を過ごした地。91歳で亡くなるまで、北区を愛し・暮らし・時代を導く人生の拠点としました。
JR王子駅の目の前に広がる飛鳥山公園には、「渋沢史料館」を含む3つの博物館や、旧渋沢家飛鳥山邸跡があります。
中でも「渋沢史料館」は彼が生涯で近代日本に残した功績に関する資料を収蔵・展示している重要な博物館。
3つのテーマ ―「ふれる」、「たどる」、「知る」― に沿って、郷里・深谷に生まれてからの功績や思想を広く紹介しているほか、旧邸宅の変遷とともに公園内のパノラマの景色を観られる「リフレッシュコーナー」、旧邸宅をデジタル画像で体験する「渋沢栄一さんぽ」などのコンテンツも充実。
常設展示「渋沢栄一をたどる」では生涯で約500の会社の設立・育成に関わり、約600の福祉や教育などの社会公共事業を支援、そして民間外交にも積極的に取り組んだ渋沢翁が世に伝えた理論と思想、事業内容や偉大な功績の数々を、当時の渋沢翁の直筆資料や写真などとともに紹介しています。
2020年11月にリニューアルオープンし、渋沢翁の生涯を年齢ごとに紹介。渦巻き状に並ぶ展示ユニットの上に、0~91までの当時の渋沢翁の年齢を示す数字が吊り下げられ、遍歴が一目見て分かります。
渋沢翁といえば“近代日本経済/資本主義の父”との呼び名からも、経済人というイメージが強く根付いていますが、元々は農民の家の生まれ。藍玉の製造販売と養蚕の家業を手伝う一方で、幼少時より「論語」などを学び、地元を離れたのちに、江戸幕府の最後の将軍となる徳川慶喜公に仕えることになります。27歳の時にフランス・パリの万国博覧会に参列する将軍名代・徳川昭武に随行し、現地で得た先進諸国の内情や知識を持ち帰り、日本経済振興にも努めました。
渋沢翁はフランスへ渡った時点から滞在費はふくらんでいき、日本からの送金が滞る中で資金運用をしていたとか。経済において紙幣の重要性・銀行などの仕組みを作り上げた渋沢翁の手腕や先見の明は、この時から生きていたのかもしれません。
その後、明治政府の官僚時代を経て、一民間経済人として多角的な事業に関与し活躍の場を拡大。日本で最初の近代的銀行である第一国立銀行(現・みずほ銀行)、抄紙会社(現・王子ホールディングス)、札幌麦酒、帝国ホテルなど名だたる企業の創立・育成に携わりました。当時の渋沢翁を一言で例えるなら一般市民にも政府にも顔のきく、経済界のまとめ役のような存在でした。
一方で、東京養育院という生活困窮者や病にかかった者を公的に保護する施設が設立されて間もないころからその運営を指導しつづけ、社会福祉事業にも深く貢献しました。知れば知るほど、「こんなところにまで?」という様々な事業の要職に就いてきた彼の功績に驚かされます。
これらの事業の根底にあった「道徳経済合一説」(道徳と経済は両立するもので利益を求める経済にも道徳が必要であり、そうした考えで経済活動を行うことは国や公の利益にもつながるという考え)、「忠恕(ちゅうじょ)」、「合本(がっぽん)主義」にまつわる思想を学べる点でも、「渋沢史料館」は非常に意義のある場と言えます。常に変化を恐れず時代によって立場を変え、広い視野を持ちながらも、道徳と経済のバランス感覚を重視したその姿勢は私たちも学びたいですね。
この「渋沢史料館」と合わせて飛鳥山3つの博物館は「北区飛鳥山博物館」と「紙の博物館」。「北区飛鳥山博物館」は北区の歴史や成り立ちをレプリカや復元家屋を通じて実感できる展示が見もの。「紙の博物館」は世界でも数少ない紙専門の総合博物館。近代化によって和紙から洋紙へと需要が推移していった時代に、渋沢翁が製紙工場の立地を王子飛鳥山に選定したことに由来します。渋沢翁の歴史を辿るならこちらもぜひチェックしてみて。
■渋沢史料館
住所:東京都北区西ヶ原2-16-1
TEL:03-3910-0005
開館時間:10:00~12:00/13:30~15:30
※完全予約制。渋沢史料館ウェブサイトよりお申込みください。
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)/年末年始(12月28日~1月4日)
渋沢栄一の私邸があった「旧渋沢庭園」と「晩香廬」「青淵文庫」(東京)
その名の示すように、飛鳥山公園の南側一帯にかつて存在した旧渋沢邸跡の一部を整備したこちらの庭園。渋沢翁は王子製紙工場を構えた後、近くである王子飛鳥山の地に別荘を構えました。「職住接近」の考えからともいわれています。そののちに「曖依村荘(あいいそんそう)」と名付け、明治34年(1901)から本邸として30年の長きに渡り暮らしました。
私邸に留まらず、旧主の徳川慶喜、伊藤博文らを招いたり、米国の元大統領やハワイ王国のカラカウア王など国内外からの賓客をもてなしたりするなど、国際人・渋沢栄一の民間外交の活動の場としての側面も持ち合わせていました。
戦火により当時の建物のほとんどは失われてしまいましたが、渋沢翁の喜寿(77歳)を祝って贈られた「晩香廬(ばんこうろ)」、傘寿(80歳)を祝って贈られた「青淵文庫(せいえんぶんこ)」という、いずれも国指定重要文化財の貴重な建物が現存しています。
喜寿のお祝いに寄贈された「晩香廬」は、渋沢邸を訪れた国内外の来賓と庭園を散策した際、立ち寄ってお茶をするなどレセプションルームの役割を果たした場。インドの詩人・タゴールも来賓の一人でした。
栗材を用いて造られた洋風茶室で、暖炉、食器棚、傘立てなどの調度品は当時のまま。タイル部分の“寿”の文字、椅子や机にあしらわれたハートマークのモチーフ。西洋風でありながら壁の一部には萩の茎をめぐらせ、日本家屋的な和の要素も取り入れられるなど、遊び心の光る空間が広がっています。
この「晩香廬」を手掛けたのは田辺淳吉という大正期の建築家。彼は照明に特に凝っていたようで、「晩香廬」をよく見渡すと、合の間、談話室、控室、洗面所のひとつひとつの間ごとにデザインの異なる照明器具が取り付けられているので、見学時はぜひチェックしてみて。
渋沢翁の雅号“青淵”を冠した「青淵文庫」は、男爵から子爵への昇格祝いも兼ねて寄贈されたもので、書庫及び接客の場として使われていました。
シャンデリアのきらめく閲覧室の美しいステンドグラスは、渋沢翁を慕う経済人を中心とした団体・竜門社にちなんだ竜と、おめでたい“寿”の漢字、渋沢家の家紋である柏の葉を組み合わせたデザイン。よく見ると窓の縁にも柏の葉があしらわれていて、足元の絨毯の中央に視線を落とすと“寿”の字と福を招く縁起物とされたコウモリの柄が。ひとつひとつに込められた意味を知っておくと見学時も一層楽しめるはず。
記念品陳列室では「道徳経済合一説」について説いている渋沢翁の肉声、渋沢家の食器、漢詩集なども展示されています。
■旧渋沢庭園
住所:東京都北区西ヶ原2-16-1(飛鳥山公園内)
入園時間:9:00~16:30(3月~11月)/9:00~16:00(12月~2月)
※入園時間は季節により変わる場合があります。
■晩香廬・青淵文庫
住所: 東京都北区西ヶ原2-16-1
※旧渋沢庭園内に立地
TEL: 03-3910-0005(渋沢史料館)
開館時間:10:00~12:00/13:30~15:30
※完全予約制。渋沢史料館ウェブサイトよりお申込みください。
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)/年末年始(12月28日~1月4日)
約100種200株のバラ×洋館のコントラストが美しい「旧古河邸」「旧古河庭園」(東京)
王子飛鳥山から田端駅までの約3キロの道のり“文化ロード”には、北区の文化施設や飲食店が多く軒を連ねます。渋沢翁が愛し、暮らした北区の歴史や芸術、地域文化に親しむことができるおすすめ散策コースです。
飛鳥山公園で「旧渋沢庭園」を楽しんだら、文化ロードのMAPを手に「旧古河邸」と「旧古河庭園」まで向かってみて。歩いて10分ほどすると、ジョサイア・コンドルの最晩年の作品となる洋館が見えてきます。ジョサイアといえば、旧岩崎邸や鹿鳴館の設計でも有名なイギリス出身の建築家。
約100種200株のバラが咲き誇る洋風庭園と洋館の組み合わせがすばらしく、春や秋にはバラフェスティバルが開催されるほど。洋風庭園と日本庭園との調和が美しく秋は紅葉も楽しめます。バラのアイス、ジャムなども販売されているのでお土産にも◎。
こちらの主・古河虎之助氏と渋沢翁は、両家の旧邸宅同士が近いことや、先代から続く付き合いから、虎之助の結婚式の際には媒酌人を渋沢夫妻に依頼したといわれるほど深い交流がありました。
英国貴族の邸宅をモデルにしたという洋館は、1階が来賓をもてなした洋風建築、2階に和室(客間・居間・子供部屋など)を設ける洋と和が調和する造り。古河家の紋章・鬼蔦(おにづた)がはいったステンドグラスの玄関に始まり、地中海地方の植物・アカンサスが彫られた小食堂、天井の四隅にバラの彫刻が咲く応接室、大正当時の壁紙の雰囲気を再現したビリヤード室、幾何学模様のサンルームと、建築好きにはたまらない凝ったデザインのオンパレード。ランプ等の調度品も当時のものが多く残されています。
特に、深紅の壁紙と白天井のコントラストが美しい大食堂は、フルーツの天井彫刻、15センチくらいせりだした一枚の堅い楢(なら)の木に掘られたマントルピースが見もの。しかもこちらの大食堂は12時以降喫茶室として営業しており、ケーキやお茶を楽しむことができます。洋館内部の一般の写真撮影は当面不可なのでご注意を。
洋風庭園と対をなす日本庭園は、心字池を中心に大滝・枯山水・茶室のある回遊式庭園。庭園奥にある茶室では、春・秋限定で、庭の景色を楽しみながらお抹茶をいただける機会も。静寂の中で心静かにお抹茶と干菓子をいただきましょう。
ちなみに、「旧渋沢庭園」、「旧古河庭園」の延長線上を日暮里まで南下すると、都立谷中霊園があり、こちらには「青淵渋沢栄一」と彫られた渋沢翁が眠る墓が残されています。
「旧古河庭園」周辺には、バスクチーズケーキやキャロットケーキなど自家製ケーキが名物の「cocofulu cafe(ココフルカフェ)」や和菓子の老舗「平塚亭つるおか」があるので、こちらもぜひ訪れてみて。
香ばしい焼き団子を片手に文化ロードを散策するのもよし、カフェは具材たっぷりなボリューム満点の“萌え断”サンドイッチやキッシュなどのメニューもあるのでランチ休憩にもおすすめです。
■旧古河邸
住所:東京都北区西ヶ原1-27-39 旧古河庭園内
TEL:03-3910-8440
開館時間:10:30~16:30(最終入館16:00)
休館日:不定休
※詳しくはHPをご確認ください。
■旧古河庭園
住所:東京都北区西ヶ原1-27-39
TEL:03-3910-0394
開園時間:9:00~17:00(最終入園16:30)
休園日:年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
※現在事前予約制となります。詳しくはHPをご確認ください。
東京の玄関口、赤レンガ造りの壮麗な駅舎「東京駅(丸の内駅舎)」(東京)
北区以外にも都内には渋沢翁が関わったスポットがたくさん。例えば、東京のシンボルともいえる「東京駅」も、実は渋沢翁にゆかりがあるのをご存じでしょうか。
赤レンガとドーム屋根、花崗岩の白いラインが特徴的で、中から見上げたドーム型の天井の8羽の鷲や8つの干支のレリーフの装飾が施された内部も非常に美しいことで知られる東京駅丸の内駅舎。ラウンジやホテルも併設されていて、その美しい佇まいから、ウェディングフォトスポットとしても人気です。
この駅舎に使用されている赤レンガは、渋沢翁らが設立した日本初の機械式煉瓦製造工場が製造したもの。当時、明治政府による近代的な官庁街や鉄道等の整備推進によりレンガの製造需要が高まったことが始まりで、深谷市にある同工場で製造されたレンガは東京駅以外にも司法省(現・法務省)・日本銀行・迎賓館赤坂離宮などにも使われています。
身近な企業の創業だけでなく、建物そのものにも渋沢翁の仕事が関わっていたとは驚きですよね。2024年度発行予定の新1万円札は、表面に渋沢翁の肖像、裏面が東京駅のデザインが採用されているので発行されたらチェックしてみましょう。
ちなみに、渋沢翁の生まれ故郷・深谷市の深谷駅は1996年に東京駅を模したデザインへ改築されました。地元では“ミニ東京駅”と呼ばれ親しまれています。深谷から始まったモノづくりの精神が東京にもずっと生き続けているんですね。
■東京駅(丸の内駅舎)
住所:東京都千代田区丸の内1
一度は泊まってみたい…格式高き名門ラグジュアリーホテル「帝国ホテル 東京」(東京)
東京駅からも徒歩圏内にある「帝国ホテル 東京」。海外からの要人をもてなす迎賓館の役割を担うホテルとして1890年に開業し、約130年もの歴史を持つ日本を代表する老舗ホテルです。いつか泊まってみたい…!と憧れる女子も多いのでは?特別な記念日やデートで宿泊はもちろん、最近はリモートワークのデイユースプランやアフタヌーンティーを楽しむ女子会の場として人気。
「帝国ホテル 東京」は発起人総代となった渋沢翁を含む、当時を代表する経財人たちの働きかけにより誕生。その後、渋沢翁は開業以来19年間経営の指揮をとり、初代会長を務めました。
日本と異なる伝統や文化、価値観を持つ諸外国からのゲストをもてなし、丁寧に応対することで、日本での滞在を大切な思い出として残しその記憶を持ち帰ってもらう。迎賓館の役割を担う「帝国ホテル 東京」の創業の精神は、渋沢翁が大切にしていた「社会の要請に応え、貢献する」という信念にも通ずるもの。
創業当初からの“渋沢イズム”は時代を超えてなお、「帝国ホテル 東京」の企業理念、従業員の心に脈々と受け継がれ、その礎となっているのかもしれません。
■帝国ホテル 東京
住所:東京都千代田区内幸町1-1-1
TEL:03-3504-1111
営業時間:年中無休
リアルなアンドロイド展示も!故郷・深谷で渋沢翁への知見を深める「渋沢栄一記念館」(埼玉)
続いて、渋沢栄一生誕の地・埼玉県深谷市で彼の足跡を辿りましょう。「渋沢栄一記念館」はその名の通り、渋沢翁の人物像や生涯にわたり残してきた功績を知ることのできる記念館。周辺には渋沢翁が多忙な中で帰郷した際に寄っていたという旧渋沢邸「中の家(なかんち)」や「誠之堂(せいしどう)」と、渋沢翁の歴史を語る上で欠かせないスポットが点在、現存しています。
記念館は、渋沢翁の略年表、遺墨、企業・社会福祉・国際親善にまつわる写真等を展示した資料室、映像展示、講義室から成り、見学は無料。記念館の敷地内には、5メートルもの巨大な渋沢翁の銅像も。かつては深谷駅前のシンボルでしたが、記念館開館に伴いこちらへ移転されたのだそう。
展示室では、渋沢翁の経済活動のルーツとなった家業にまつわる資料だけでなく、雅号“青淵”の名付け親だった尾高惇忠ら交流のあった人々にまつわる資料も展示。1840年、血洗島(ちあらいじま)村(現・深谷市)の農民の家に生まれ、藍染の染料となる藍玉製造の腕の良い父親のもとで育った栄一少年。20歳で、取引のあった藍農家の品質向上を目指して作成した「藍玉番付」(相撲番付のようなもの)は地域を豊かにしようとする若き渋沢翁の商売の才覚を示すものでした。
2階の講義室では、2020年夏に完成したばかりの“渋沢栄一アンドロイド”による講義を受けることも。生誕180年にあたる節目の年にお目見えしたこのアンドロイドは、70代の渋沢翁の風貌を忠実に再現しており、仕事着に身を包み、郷里に講演をしに戻ったかのようです。
渋沢翁が唱えた「道徳経済合一説」を現代風にアレンジした内容を、渋沢翁の肉声に似た音声で演説する“渋沢栄一アンドロイド”は、近くでよく見ると肌の質感もリアル。経済信条を唱え思想を今に伝える姿は、今を生きる私達にも在りし日の姿を十分に想像させてくれます。
■渋沢栄一記念館
住所:埼玉県深谷市下手計1204
TEL:048-587-1100
開館時間:9:00~17:00
※講義室(アンドロイド)9:30~16:00(最終講義は15:30から)
※事前予約制。2日前までにHPからご予約ください。
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)、臨時休館日あり
“埼玉日光”と呼ばれる縁結びスポットって?熊谷が誇る絢爛豪華な「妻沼聖天山」(埼玉)
栃木の「日光東照宮」といえば世界遺産「日光の社寺」の構成遺産として世界的にも有名ですが、埼玉にも“埼玉日光”と呼ばれるスポットがあるのをご存じでしょうか?それが日本三大聖天のひとつとして知られる「妻沼聖天山(めぬましょうでんざん)」。かつて渋沢翁も参拝したという、清らかな空気の流れるお寺です。
こちらは平安時代の武士・斎藤別当実盛(さいとうべっとうさねもり)が、仏教の守護神・聖天さまをお祀りし開いたお寺で、境内には美しい建築物が数多く点在。特に縁結びの霊験あらたかなことで信仰を集め、良縁成就・家内安全・商売繁盛・学業進学などあらゆる素敵なご縁を結んでいただけると伝えられています。
“埼玉日光”と呼ばれる所以が、御本殿の歓喜院聖天堂。霊獣や七福神・唐子などの絢爛豪華な壁面彫刻と鮮やかな彩色がとても美しく、側面には鷹(聖天様)が猿(人間)を助けている風景が描かれています。このきらびやかで精緻な造りが「日光東照宮」の流れを汲み彷彿とさせることから、いつしか“埼玉日光”と呼ばれるように。
約250年前に建てられたこちらの御本殿は、経年劣化による退色が激しかったものが、7年間の歳月をかけた装飾修復作業を経て、現在では色鮮やかに美しくよみがえりました。埼玉県において初めて遺造物として国宝に指定された価値の高い建造物でもあります。
御本殿だけでなく、3つの屋根の破風を重ねた珍しい造りの「貴惣門」や「仁王門」、世界平和を願って建てられた「平和の塔」など境内における見どころはたくさん。
境内の奥にある「平和の塔」では春には桜、秋には紅葉を楽しむことができ、緑の生い茂る弁天池、そして手前に架かる朱塗りの平和橋とのコントラストは、思わず写真に収めたくなる美しさです。
■妻沼聖天山
住所:埼玉県熊谷市妻沼1511
TEL:048-588-1644(受付 9:00~16:00)
受付時間:祈祷受付など詳しくはHPをご確認ください。
養蚕業について学べる農村ミュージアム「カネ本蔵(かねもとぐら)」(埼玉)
のどかな里山風景が広がり、古くから養蚕が盛んだった小平地区。
高窓の里と呼ばれる、蚕の飼育に適した造りの養蚕住宅が多く残る集落に2020年7月オープンの農村ミュージアム「カネ本蔵(かねもとぐら)」。当時の養蚕道具や農具、写真など約200点の養蚕関連資料を通じて、養蚕業の歩みを今に伝える施設です。
こちらの蔵は、世界文化遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成遺産「高山社」の分教場だったひとつを移築したもの。「富岡製糸場」は製糸業に尽力した渋沢翁が設置主任となった縁もあり、深いつながりがあります。
事前予約で内部見学も可能。展示品の中には、渋沢翁の著書「論語と算盤」及び関連資料が展示されています。渋沢翁はかつて明治政府の命により宮中での養蚕の始まりに関わったそう。生糸及び蚕種は海外への輸出品の花形となり、近代日本経済を支えたといっても過言ではありません。そんな養蚕業の歴史を、当時の空気感とともに学べる貴重な場です。
■農村ミュージアム「カネ本蔵」
住所:埼玉県本庄市児玉町小平653
TEL:0495-72-6742(本庄市観光農業センター)
開館時間:10:00~17:00
休館日:木曜日(祝日の場合は開館)
元酒造跡がレトロな映画館やカフェが集まるスポットに!「七ツ梅酒造跡」(埼玉)
深谷駅から徒歩10分ほどの場所にある「七ツ梅酒造跡」は、元禄7年(1694年)に近江商人の田中藤左衛門が創業した酒造の跡地。
創業以来300年の歴史を有し、かつては県内でも1、2を競う老舗蔵元でしたが、2004年に廃業。約950坪の敷地に母屋、店蔵、精米蔵、竈屋(かまどや)、煉瓦煙突などの建築群が残されていましたが、建物の一部を再利用したミニシアター「深谷シネマ」の誕生をきっかけに、飲食店、ハンドメイドの雑貨屋、古本屋、ロースタリーカフェが徐々に増え、観光スポットとして蘇りました。
こちらの建物に使われている赤レンガは東京駅丸の内駅舎にも使われている深谷産のもの。長い歴史を積み重ねてきた当時の面影を色濃く残しており、まるで空間全体が映画のセットのよう。
夜になると入口の提灯に明かりが灯り、もんじゃ焼きのお店で一杯飲むことも。渋沢翁の過ごした当時の深谷を想像しながらの散策は冒険心をくすぐることでしょう。毎週火曜日はお休みのお店が多いので要注意。
■七ツ梅酒造跡
住所:埼玉県深谷市深谷町9-12
TEL:048-573-8707(一般社団法人まち遺し深谷)
営業時間:店舗により異なる
定休日:店舗により異なる
人々の暮らしを豊かにし、日本を変えたいという想いから日本経済を大きく発展させてきた渋沢栄一。彼の想いは多くの人々に影響を与え、今でも“日本経済界の父”として尊敬されています。
著書「論語と算盤」で説いたように、渋沢翁が理想としたのは、誰かが営利を独占するのでなく、儲けた利益を世のため人のために使う、みんなで広く手を繋いで協力しあう世界。人を蹴落とし、目先の利益ばかりを追い求めるようでは良い結果は得られない―足並みを揃え、誰一人取り残さない社会の在り方は、昨今のSDGsの取り組みにもどこか通ずるものがあるのではないでしょうか。
女子旅プレスでは、今回ご紹介した東京-埼玉に加え、東京-山梨といった首都圏と近隣エリアでの“近場旅”を提案する特設サイトを公開中。該当エリアの観光、グルメ情報に加え、実際のおでかけ時に役立つモデルルートや動画も掲載しているので、次のお出かけの参考にしてみて。
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応募方法は、ハッシュタグ#私の推しTRIP(もしくは#私の推しトリップ)と#撮影場所の名前(東京、お台場などでOK!)をつけておすすめスポットの写真を投稿。キャンペーンアカウント(@watashi_no_oshi_trip)のフォローもお忘れなく。投稿対象期間は2021年11月1日14時00分~2022年2月28日23時59分まで。
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渋沢翁の人生年表を自らの足で辿り、日本への想いに触れることで、日々の暮らしに新しい気付きが生まれるかもしれません。(女子旅プレス/modelpress編集部)[PR]提供元:公益財団法人東京観光財団
※新型コロナウイルスの影響により、施設によって営業時間の変更や休業の可能性があります。ご利用の際には、最新情報の確認と、感染拡大の防止にご配慮いただけますようお願いいたします。
※記事は女子旅プレスの調査及び主観に基づくものであり、店舗のサービスが保証されるものではありません。