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駅なのに降りられない、人より動物が多い…!? 旅行作家が選ぶ、全国で見つけた「変な駅」10

駅なのに降りられない、人より動物が多い…!? 旅行作家が選ぶ、全国で見つけた「変な駅」10

全国には愉快な駅舎、降りられない駅、都会なのに昼間は電車が発着しない駅、川の上にある駅、山岳トンネルの中にある駅、奇抜なデザインの駅など一風変わった駅がいくつもある。そうした「変な駅」をリストアップしてみた。

全国には愉快な駅舎、関係者以外降りられない駅、川の上にある駅、山岳トンネルの中にある駅、奇抜なデザインの駅など一風変わった駅がいくつもある。今回は、そうした「変な駅」をリストアップしてみた。

1. 亀の頭のオブジェが可笑しい駅:亀甲駅(JR津山線)【岡山県】

まずは、愉快な駅舎から。

駅舎から亀の頭が飛び出ているJR亀甲駅
駅舎から亀の頭が飛び出ているJR亀甲駅



まさに「亀づくし」の駅

駅名が亀甲(かめのこう)だから駅のいたるところで亀づくし。ホームに造り物の亀が置いてあるのは、まだ「常識的」だが、駅舎の屋根にも亀! それも亀の頭のオブジェが文字通り取ってつけたように存在感たっぷりに鎮座している。何とも愉快な亀であるが、ちゃんと時計台の役割も果たしている。

ホームにも亀(置物)の姿が!
ホームにも亀(置物)の姿が!


JR岡山駅からJR津山線の普通列車で1時間20分前後、快速「ことぶき」なら1時間弱で到着できる。

2. ネコ駅長で有名になった駅は駅舎もネコをイメージ:貴志駅(和歌山電鐵貴志川線)【和歌山県】

ネコの形をした駅舎。ネコ駅長がいる貴志駅
ネコの形をした駅舎。ネコ駅長がいる貴志駅


駅に居座っていたネコのたまが駅長になったことで一躍有名になった貴志川線の終点・貴志駅。たま駅長は惜しくも2015年に逝去、現在は2代目の「ニタマ」と駅長代行の「よんたま」が勤務している。ネコの駅長で大人気となった貴志駅は、2010年に駅舎を建て替え、ネコをイメージした「たまステーション貴志駅舎」がオープンした。

「たまカフェ」や「たま神社」も
ホームには神社まである貴志川駅
ホームには神社まである貴志川駅


駅舎内にはグッズを販売するたま商店、たまカフェ、ホームには「いちご神社」「おもちゃ神社」「ねこ神社」という3つの祠があり、たまの死後、「ねこ神社」は「たま神社」と改名された。ともあれ、ニャンとも愉快な駅である。和歌山駅(JRと接続)から和歌山電鐵でおよそ30分。

3. 一般客は駅から出ることができない!:海芝浦駅(JR鶴見線)【神奈川県横浜市鶴見区】

海に面したホームのある海芝浦駅
海に面したホームのある海芝浦駅


工場地帯を走る大都会のローカル線として人気のJR鶴見線。浅野駅から分岐する支線の終点・海芝浦駅は海に面した駅で、海と反対側には東芝の事業所がある。改札口は1カ所しかなく、事業所の社員および所用で訪問する人専用だ。したがって、鉄道ファンのように用もなく訪問する人は駅から出ることができなかった。

駅訪問者のための「海芝公園」がオープン
関係者以外出場できない海芝浦駅の改札口
関係者以外出場できない海芝浦駅の改札口


ところが、海芝浦駅の人気が高まるにつれ、用もないのに訪れる人が増えてきた。そこで、東芝の好意で駅に隣接した海芝公園が1995年にオープンし、人気スポットとなった。工場夜景や鶴見つばさ橋など眺望がよいため訪れる人が後を絶たず、女性グループの散策やカップルのデートコースとしても知られている。大都会にもかかわらず電車の本数は極めて少なく、2時間に1本の時間帯もあるので要注意だ。

4. 朝夕しか電車が発着しない都会の駅:大川駅(JR鶴見線大川支線)【神奈川県川崎市川崎区】など

昼間は電車の姿が見えないJR大川駅
昼間は電車の姿が見えないJR大川駅


上記の海芝浦駅と同じJR鶴見線には、大川駅に向かう別の支線がある。武蔵白石駅から分岐するものの急カーブのためホームがなく、ひとつ鶴見駅寄りの安善駅の次が、終点・大川駅となる。この大川駅に停車する電車は、平日は朝4往復、夕方から夜間にかけて5往復で、昼間は8時間以上電車が発着しない。土休日は朝2往復、夕方1往復とさらに本数が減る。通勤客以外の利用がないからであろう。

神戸市内の和田岬駅(山陽本線の兵庫駅から分岐する支線の駅で中間駅はない)、名古屋市内の東名古屋港駅(名鉄築港線で名鉄常滑線大江駅から分岐、やはり中間駅はない)、工場地帯ではないけれど山口県山陽小野田市の長門本山駅(JR小野田線の雀田駅から分岐する支線、中間駅は浜河内駅のみ、山口県)。以上3駅も、大川駅同様、朝夕しか電車が発着しない。

5. 下り列車しか停車しない臨時駅:偕楽園駅(JR常磐線)【茨城県水戸市】

上りホームがないため停車日にもかかわらず上り普通列車が通過する偕楽園駅
上りホームがないため停車日にもかかわらず上り普通列車が通過する偕楽園駅


日本三名園の一つ「偕楽園(かいらくえん)」の目の前にある駅。梅まつりの時期(例年2月中旬から3月中)の土休日にのみ開設される。営業日の朝から夕方まで特急を含めてすべての列車が停車するが、下りホームしかないので、東京や小山方面へ向かう上り列車は、すべて通過となる。

地元の意向として、帰りは水戸駅でお土産などを購入する経済効果を期待しているからだといわれている。

6. 山岳トンネルの中にある駅:筒石駅(えちごトキめき鉄道)など

筒石駅に停車中の観光列車「雪月花」
筒石駅に停車中の観光列車「雪月花」


都会の地下にある駅をのぞけば、トンネル内にある駅というのは珍しい。えちごトキめき鉄道筒石駅(旧・北陸本線)は、11kmあまりにも及ぶ長い山岳トンネルの中にある駅として知られている。ホームから地上にある駅舎まで、上りホームからは280段、下りホームからは290段もの階段を延々と登っていく以外方法はなく、バリアフリーとは縁遠い。

もともとは普通の駅だったが、複線電化工事で路線の改良工事をする際、曲がりくねった海岸線を避け、長大な山岳トンネルでショートカットしたため、苦肉の策としてトンネル内に駅ができたものである。似たような例として、土合駅(JR上越線)があり、むしろこちらの方が有名である。しかし、私が訪れたのはかなり前であり、筒石駅は最近、観光列車「雪月花」の途中駅下車イベントの一環で訪問したので取り上げた次第だ。

7. 川を渡る鉄橋上にある駅:武庫川駅(阪神本線)【兵庫県】

文字通り武庫川の上にある武庫川駅
文字通り武庫川の上にある武庫川駅


大阪梅田駅と神戸の元町駅を結ぶ阪神本線。その尼崎市(兵庫県)と西宮市(兵庫県)の境を流れる武庫川に架かる鉄橋上にあるのが武庫川駅だ。ホームからは武庫川の流れが望め、何とも不思議な光景である。

川は市境でもあるので、尼崎市側と西宮市側のそれぞれに改札口がある。また、西宮市側には阪神の支線である武庫川線の乗り場もあり、本線とは直交しているので、スイッチバックして元町方面の信号場で合流する興味深い線路配置だ。

川に架かる橋梁上にある駅は他にも
保津川の直上にあるJR保津峡駅
保津川の直上にあるJR保津峡駅


川に架かる橋梁上にある駅としては都営新宿線の地上部分にあり、旧中川を跨ぐ位置にある東大島駅、JR四国の土佐北川駅(JR土讃線)、JR山陰本線の保津峡駅(京都府)が知られている。

8. 駅舎内に温泉がある!:ほっとゆだ駅(JR北上線)【岩手県】

駅舎内に温泉があるほっとゆだ駅
駅舎内に温泉があるほっとゆだ駅


駅構内に温泉がある駅。かつては陸中川尻駅といったが、温泉施設ができると同時に「ほっとゆだ」に改名した。温泉付き駅舎として有名で、東北の駅百選に選ばれている。

温泉内には信号があり、列車到着時間に合わせて青、黄(30分前)、赤(15分前)が点灯し、乗り遅れないよう教えてくれる。

温泉のある駅としては、ほかに高畠駅(山形新幹線)(山形県)、水沼駅(わたらせ渓谷鉄道)(群馬県)、みなみ子宝温泉駅(長良川鉄道)(岐阜県)などもある。

9. 奇抜なデザインの駅:宝積寺駅、戸越銀座駅など

隈研吾氏が手掛けたJR宝積寺駅コンコース
隈研吾氏が手掛けたJR宝積寺駅コンコース


「木のぬくもり」という穏やかで環境にもやさしい素材である木材を多用した駅が各地にある。確かにコンクリートの駅よりは味わいが感じられる。しかし、あまりにも奇抜なデザインである場合、深夜にひとりたたずむと恐怖感を覚える人がいるかもしれない。

宝積寺駅(JR東北本線)(栃木県)は、国立競技場のデザインで時の人となった隈研吾氏の手になるもの。個性的で評判のデザインではあるものの、天井を見上げると、ちょっと不気味である。

古い駅が生まれ変わった斬新な駅も
「木になるリニューアル」で新しくなった戸越銀座駅(東急池上線)
「木になるリニューアル」で新しくなった戸越銀座駅(東急池上線)


戸越銀座駅(東急池上線)(東京都品川区)は、「木になるリニューアル」として古い駅が斬新なものに生まれ変わった。ここも屋根に特色があり、変わった雰囲気の駅ともいえる。

10. 東京駅を真似た赤レンガ駅舎:深谷駅【埼玉県】

思い出となった185系特急「草津」が停車中の深谷駅
思い出となった185系特急「草津」が停車中の深谷駅


NHK大河ドラマで話題沸騰の渋沢栄一の故郷にある深谷駅(JR高崎線)。かつて、政治家が急行を停車させたとしてニュースで報道されたこともある。時は流れ、深谷駅の駅舎は東京駅そっくりの赤レンガの堂々たる建造物となった。

これは、渋沢栄一が手掛けた日本初の煉瓦工場をこの地に造ったことに由来し、煉瓦の街としてPRするためでもある。諸般の事情から橋上駅となったが、あたかも蜃気楼のようにそびえていてインパクトがある。

以上、見た目から列車の発着状況まで、何らかの形でユニークで変わった駅を紹介した。鉄道を利用するときは、列車のみならず、乗り降りする駅にも注目すると楽しみが増えるであろう。


執筆者:野田 隆(鉄道ガイド)


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