海外初心者にオーストリアはぴったり!ウィーンにザルツブルク…4都市の観光スポット&魅力を探索
提供:女子旅プレス[PR]
約640年間大帝国の都であったウィーンを有し、歴史や伝統の厚さを実感できるオーストリア。都市部は公共交通機関が充実し、治安も良いため、海外初心者同士での女子旅、母娘旅、一人旅にもおすすめなんです。首都ウィーンを筆頭に、ザルツブルク、グラーツ、さらにはインスブルックまで、注目都市の観光情報と見どころをご紹介します。
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多種多様な美術館や博物館、夜毎繰り広げられるオペラ、歴史的価値のある宮殿に教会と、中欧の美しさにあふれた都市ウィーン。
ゴシック様式の荘厳華麗な「シュテファン大聖堂」を含むウィーン歴史地区は、2001年にユネスコ世界遺産に登録されており、この大聖堂を起点に観光スポットが集中しているため、連日多くの観光客が訪れます。
「シュテファン大聖堂」は、歴史を感じさせるゴシック様式と、鋭い尖塔、モザイク模様の屋根が特徴で、13世紀より主にウィーンを中心にヨーロッパ各地へ多大な影響力を及ぼしたハプスブルク家の紋章である“双頭の鷲”が大聖堂を守るように描かれています。
内部も精巧なレリーフ彫刻、色とりどりのステンドグラス、巨大な祭壇、パイプオルガンと見ごたえ満点。ひっそりと静謐な空気が流れ、どこを見ても美しさに圧倒されるばかりです。
“美しい泉の宮殿”を意味する「シェーンブルン宮殿」も、ウィーン随一の人気観光スポット。かつてはハプスブルク家の夏の離宮として利用されていたバロック建築の宮殿で、目の前に続く壮麗な庭園、大温室「パルメンハウス」、現存する世界最古の動物園などを有し、こちらも世界遺産に登録されています。
宮殿といえば、グスタフ・クリムトの代表作「接吻」が展示されている「ベルヴェデーレ宮殿」も見逃せません。
ベルヴェデーレとはラテン語で“美しい眺め”を意味し、丘の上の宮殿からは美しい大庭園と旧市街の眺望を見渡すことができます。かつての貴族と同じように景色を見ていると思うと、なんだか感慨深いものがありますね。
スカラ座、メトロポリタン歌劇場と並んで“世界三大オペラ座”と称される「ウィーン国立歌劇場」で、オペラやバレエを堪能するのもウィーンの1つの楽しみ方。
安い席だと15ユーロ(約2,300円)からと想像よりも意外とリーズナブル。モーツァルトやベートーヴェン、シューベルトなど名だたる作曲家が活躍した音楽の都ウィーンで、世界最高レベルのオペラやバレエを鑑賞することは一生の糧になるので、ぜひ一度、生で感動を味わってみて。
1869年にルネサンス・リバイバル様式で建設され、現在もオフシーズンの7~8月を除いてはほぼ毎日公演が行われています。
ちなみにオーストリアの公用語はドイツ語で、オペラでの言語はドイツ語またはイタリア語が主となりますが、各座席に歌詞を日本語で読むことができる端末が付いているので言葉の壁も心配することなく鑑賞することができるでしょう。またバレエであれば言語無しでもストーリーを楽しむことができるのでこちらもおすすめ。
素晴らしい歴史的建造物の宝庫であるウィーンでは、“世界で最も美しい図書館”と呼ばれる「オーストリア国立図書館プルンクザール」も一見の価値あり。
ここはバロック様式の図書館で、蔵書の数は約20万冊。ドーム状の天井に描かれたフレスコ画、天井まで届くほどの本棚はまさに圧巻の一言です。
街歩きの傍ら、「カフェ・ザッハー」や「デーメル」でのスイーツタイムもお忘れなく。
またウィーンとその周辺は良質なワインの産地でもあり、中心部から少し足を延ばすと中小規模のワイナリーが点在しています。ワイナリーに併設された居酒屋“ホイリゲ”で伝統料理と自家製ワインに酔いしれて。
ウィーンは「世界で最も住みやすい都市ランキング」で何度も首位に輝いており、治安の良さは折り紙付き。“音楽と芸術の都”は海外初心者の女子にも、ぴったりのデスティネーションですよ。
心はずむ旅をするならオーストリアへ!
雄大なアルプスを背にした比類なき都市景観の美しさ、かの有名な作曲家モーツァルトの生誕地として知られるザルツブルク。
ウィーンからは私鉄のウエストバーン鉄道、またはオーストリア国鉄の特急レイルジェットで西へ約2時間半の旅です。
中世の要塞だった「ホーエンザルツブルク城」、ドイツ語圏最古とされる男子修道院「聖ペーター僧院教会」、赤ん坊のモーツァルトが洗礼を受けた洗礼盤と、のちに弾いたというパイプオルガンのある「大聖堂」など、ザルツブルクの見どころの多くは歴史地区に集約されており、世界遺産に登録されています。
モーツァルトが生まれたのは、歴史地区内のメインストリート、ゲトライデ通りにあるアパートの一室。かつての生家は現在、記念館として一般公開されています。
かの偉人の功績に敬意を表し、観光案内所のある広場には「モーツァルト広場」の名が付けられており、“モーツァルトの街”にふさわしく偉人の存在を至る所で感じられることでしょう。
もう1つ、ザルツブルクを観光するうえで欠かせないのが、新市街にある「ミラベル宮殿」。
宮殿前の庭園はギリシャ神話をモチーフにした石像、噴水、四季折々の可憐な花々で彩られ、優美な空間が演出されており、ザルツブルクが舞台となったミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の名場面である「ドレミの歌」は、ここミラベル庭園で撮影されました。
映画を鑑賞したことのある方なら、歌唱シーンの記憶が脳裏に蘇るかのような追体験ができるでしょう。
また、庭園越しにメンヒスベルク山頂の「ホーエンザルツブルク城」の姿も目にすることのできる人気スポットでもあります。
ザルツブルクの街を歩いていると、時々遭遇する不思議なオブジェは芸術プロジェクト「モダンアートの散歩」で設置されたもの。
街の公共スペースに気鋭のアーティストらによる13の作品を展示するプロジェクトで、アートを辿ると自然に街歩きも楽しめて、観光名所を巡るのとはまた違った角度からザルツブルクを満喫できることでしょう。
もう1つ、ザルツブルクを観光するうえで欠かせないのが、歴史地区からバスで25分ほどの距離にある「ヘルブルン宮殿」です。
17世紀初頭にいたずら好きのマルクス・シティクス大司教の命により建てられた宮殿で、特に見どころなのが突拍子もない場所から吹き出す仕掛け噴水が至るところにある遊び心たっぷりな庭園。大司教は、思いがけずびしょ濡れになり慌てふためく客人を見て喜んでいたとか。
庭園はガイド付きのツアーでのみ見学可能なので、せっかくなら多少は濡れる覚悟でツアーに臨みましょう。11月~3月頃までは噴水庭園は休園ですが、12月にはクリスマスマーケットが開かれます。
オーストリアでは各都市がプリペイドカードを発行しているのですが、特に「ザルツブルク・カード」は市内の交通機関がほぼ乗り放題であるのに加えて、ほとんどの観光施設の入場が含まれているため、かなりお得ということで人気を集めています。ザルツブルクをお得に街歩きできる観光の必需品ですね。
オーストリアでウィーンに次いで人口第2位であるグラーツ。ウィーンからはオーストリア国鉄の特急レイルジェットで約3時間南下したところに位置しています。
観光の中心であるグラーツ歴史地区と「エッゲンベルク城」は世界遺産に登録されており、街を象徴する存在の時計塔があるシュロスベルクの丘から、“セピア色の町”と呼ばれる赤煉瓦の街並みを一望できます。
「エッゲンベルク城」はグラーツ中央駅からトラムでおよそ7分、市街地より約3キロ離れた閑静な住宅地にあり、“宇宙”をモチーフとしたユニークな建築が特長です。
東西南北の方角を示す四隅の塔は、それぞれが4つの季節、そして4大元素(火、水、風、地)を象徴。暦の数字に合わせて、外窓は365(一年365日)、門の数は12(一年12カ月)、客間の数は24(一日24時間)など、どこをとっても緻密な計算のうえで設計されているのです。
城主と客人の謁見の場であった「惑星の間」には、天井に7つの惑星、壁面に12星座の神話がそれぞれ描かれ、16世紀当時最新の“宇宙”の知識が城全体であますことなく表現されています。美しく手入れされた「惑星庭園」ではお庭を優雅に闊歩する孔雀とも出会えますよ。
また、こちらの古城には日本との意外なつながりも。2000年代に入ってまもなく豊臣秀吉時代の大阪の街並みを描いた金屏風絵「豊臣期大坂図屏風」が壁紙に組み込まれていることが発見され、これによって豊臣期の大坂城下の研究が飛躍的に進みました。この縁から、エッゲンベルグ城と大阪城は友好城郭提携を結び、現在も交流を続けています。
エッゲンベルク城内部の見学シーズンは4月(または3月末)から10月末までで、冬期は閉鎖されるのでご注意下さい。
このほかにも、グラーツは農作物の生産地であるシュタイヤマルク州の州都であることから“美食の街”という一面もあり、伝統料理を扱うレストランやバーでは旅の思い出に残る食を味わうことができるでしょう。
毎朝市内各地の広場で開かれるファーマーズマーケットに赴けば、新鮮な農産物とローカルなグルメに舌鼓を打つこともできます。
オーストリア西部にあるチロル州の州都で、かつては宿場町として栄えたインスブルック。
15世紀末には一時的に神聖ローマ帝国の都になったことから、「アルプスの都」という愛称で親しまれています。ザルツブルク中央駅からは、オーストリア国鉄の特急レイルジェットで約1時間50分の旅です。
インスブルックは中世の面影を残す都市景観とアルプスの雄大な自然という、オーストリアを象徴する2つの魅力をバランスよく兼ね備えています。
世界的なウィンタースポーツの聖地でもあり、2回の冬季五輪が開催されたほか、毎年のようにスキージャンプの世界大会が行われています。
中でも旧市街のど真ん中、金色に輝く屋根の“黄金の小屋根”はインスブルック随一の観光名所。
かつて神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世が広場での催しを鑑賞するために造らせたもので、その名の通り、金箔を施した銅のこけらぶき屋根が目を引く5階建ての建物です。
現在内部は博物館となっており、皇帝が蒐集した宝物などを一般向けに展示しています。
観光の傍ら、特別なひと時を過ごすなら、ぜひカフェ・バー「360 Grad」へ。360度ぐるりとガラス張りとなった店内から、2,000メートル級の山脈と市街地の美しいパノラマビューを一望できる特別な空間が広がっています。ゆったりと椅子に腰かけて、風光明媚な景色を独占できる特等席です。
オリジナルカクテルに舌鼓を打ちながら、刻々と表情を変える空の色と風景をゆったりと堪能してみて。
五感を刺激する“美”を発見、オーストリアの多様な魅力
今回は首都ウィーンと、ザルツブルク、グラーツ、インスブルックといった地方の都市の魅力をお伝えしてきました。しかしオーストリアの魅力はまだまだ言い尽くせないほど。
ここではオーストリア観光局員の方にも、最新&おすすめのスポット情報をリサーチ。ツウの目線ならではの観光情報を教えて頂きました。
オーストリア観光局:インスブルックからバスで約20分のワッテンスという町にあるスワロフスキー本社の敷地内に、世界に1つだけの「スワロフスキー・クリスタルワールド」というテーマパークがあります。クリスタルをふんだんに使った現代アートの展示が主ですが、世界最大級のショップも併設していますし、クオリティの高いレストランもあって、ゆったり楽しめるスポットです。インスブルック市が販売している観光用特典カード「インスブルック・カード」を購入すれば、入場料と直行シャトルバスが無料になるのでお得です。
オーストリア政府観光局:近年のトレンドとして、ルーフトップ施設がますます人気を集めている印象です。ウィーン市内で挙げるとすれば「アンダーズ ウィーン アム ベルヴェデーレ」のオーロラ・ルーフトップバー、「25アワーズ ホテル」のルーフトップバー、水族館「ハウス・デス・メーレス」のルーフトップレストラン、「MQリベッレ」あたりがメジャーですが、この他にもありとあらゆる建物の屋上がルーフトップスペースとして活用されています。
このうち「MQリベッレ」はバーではなく、「レオポルド美術館(エゴン・シーレの作品を多く所蔵する美術館)」の屋上に2020年にオープンしたスペースです。「ウィーン自然史博物館」と「ウィーン美術史博物館」の双子建築も眺められ、入場は無料です(火曜日休み)。
オーストリア観光局:グルメだと、これからの季節はジェラートがオススメです。イタリア系移民の多いウィーンは、実は本場イタリア以上にジェラテリアの密度が高いといわれていて、夏になると老いも若きもジェラートを美味しそうに頬張っています。どのお店もお手頃価格で美味しいですが、特に「アイスグライスラー」や「ヴィーガニスタ」といったチェーンは地産地消やオーガニックにこだわっています。ザッハートルテ味やパンプキンシードオイル味などオーストリアらしいフレーバーも多いので、ぜひいろいろ試してみてください。
オーストリア政府観光局:そのほかのおすすめとして、ベルヴェデーレ宮殿のすぐ隣にオープンした「シュテックル・イム・パルク」というビアガーデンをご紹介させて下さい。実はオーストリアは一人当たりのビール消費量が世界2位の“ビール好き”なお国柄。こちらは木々とパラソルが陰を作っていて心地よく、自家製ビールはもちろんオーストリア料理も美味しく、地元の人にも人気で、政府観光局の日本人スタッフもリピートしています。日本人の旅行者にはまだあまり知られていない穴場スポットです。
ヨーロッパ大陸の中央にあり、欧州東西のハブとしての役割も担ったオーストリアは、ハプスブルク帝国時代に領地やその周辺の国々からもたらされた影響を受けながら、今日までの成長を遂げてきました。
歴史と芸術の優美さを現代に伝える、過去と未来の狭間にいるかのような都市を訪れれば、きっと心弾むような旅が叶うはず。各都市ごとの個性と魅力を実際に旅して、味わってみてはいかがでしょうか。(女子旅プレス/modelpress編集部)[PR]提供元:オーストリア政府観光局
※記事は女子旅プレスの調査及び主観に基づくものであり、店舗のサービスが保証されるものではありません。
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ハプスブルク家の繁栄と共に文化的な成熟を極めたウィーン
多種多様な美術館や博物館、夜毎繰り広げられるオペラ、歴史的価値のある宮殿に教会と、中欧の美しさにあふれた都市ウィーン。
ゴシック様式の荘厳華麗な「シュテファン大聖堂」を含むウィーン歴史地区は、2001年にユネスコ世界遺産に登録されており、この大聖堂を起点に観光スポットが集中しているため、連日多くの観光客が訪れます。
「シュテファン大聖堂」は、歴史を感じさせるゴシック様式と、鋭い尖塔、モザイク模様の屋根が特徴で、13世紀より主にウィーンを中心にヨーロッパ各地へ多大な影響力を及ぼしたハプスブルク家の紋章である“双頭の鷲”が大聖堂を守るように描かれています。
内部も精巧なレリーフ彫刻、色とりどりのステンドグラス、巨大な祭壇、パイプオルガンと見ごたえ満点。ひっそりと静謐な空気が流れ、どこを見ても美しさに圧倒されるばかりです。
“美しい泉の宮殿”を意味する「シェーンブルン宮殿」も、ウィーン随一の人気観光スポット。かつてはハプスブルク家の夏の離宮として利用されていたバロック建築の宮殿で、目の前に続く壮麗な庭園、大温室「パルメンハウス」、現存する世界最古の動物園などを有し、こちらも世界遺産に登録されています。
宮殿といえば、グスタフ・クリムトの代表作「接吻」が展示されている「ベルヴェデーレ宮殿」も見逃せません。
ベルヴェデーレとはラテン語で“美しい眺め”を意味し、丘の上の宮殿からは美しい大庭園と旧市街の眺望を見渡すことができます。かつての貴族と同じように景色を見ていると思うと、なんだか感慨深いものがありますね。
スカラ座、メトロポリタン歌劇場と並んで“世界三大オペラ座”と称される「ウィーン国立歌劇場」で、オペラやバレエを堪能するのもウィーンの1つの楽しみ方。
安い席だと15ユーロ(約2,300円)からと想像よりも意外とリーズナブル。モーツァルトやベートーヴェン、シューベルトなど名だたる作曲家が活躍した音楽の都ウィーンで、世界最高レベルのオペラやバレエを鑑賞することは一生の糧になるので、ぜひ一度、生で感動を味わってみて。
1869年にルネサンス・リバイバル様式で建設され、現在もオフシーズンの7~8月を除いてはほぼ毎日公演が行われています。
ちなみにオーストリアの公用語はドイツ語で、オペラでの言語はドイツ語またはイタリア語が主となりますが、各座席に歌詞を日本語で読むことができる端末が付いているので言葉の壁も心配することなく鑑賞することができるでしょう。またバレエであれば言語無しでもストーリーを楽しむことができるのでこちらもおすすめ。
素晴らしい歴史的建造物の宝庫であるウィーンでは、“世界で最も美しい図書館”と呼ばれる「オーストリア国立図書館プルンクザール」も一見の価値あり。
ここはバロック様式の図書館で、蔵書の数は約20万冊。ドーム状の天井に描かれたフレスコ画、天井まで届くほどの本棚はまさに圧巻の一言です。
街歩きの傍ら、「カフェ・ザッハー」や「デーメル」でのスイーツタイムもお忘れなく。
またウィーンとその周辺は良質なワインの産地でもあり、中心部から少し足を延ばすと中小規模のワイナリーが点在しています。ワイナリーに併設された居酒屋“ホイリゲ”で伝統料理と自家製ワインに酔いしれて。
ウィーンは「世界で最も住みやすい都市ランキング」で何度も首位に輝いており、治安の良さは折り紙付き。“音楽と芸術の都”は海外初心者の女子にも、ぴったりのデスティネーションですよ。
心はずむ旅をするならオーストリアへ!
偉大な作曲家モーツァルトが生まれたザルツブルク
雄大なアルプスを背にした比類なき都市景観の美しさ、かの有名な作曲家モーツァルトの生誕地として知られるザルツブルク。
ウィーンからは私鉄のウエストバーン鉄道、またはオーストリア国鉄の特急レイルジェットで西へ約2時間半の旅です。
中世の要塞だった「ホーエンザルツブルク城」、ドイツ語圏最古とされる男子修道院「聖ペーター僧院教会」、赤ん坊のモーツァルトが洗礼を受けた洗礼盤と、のちに弾いたというパイプオルガンのある「大聖堂」など、ザルツブルクの見どころの多くは歴史地区に集約されており、世界遺産に登録されています。
モーツァルトが生まれたのは、歴史地区内のメインストリート、ゲトライデ通りにあるアパートの一室。かつての生家は現在、記念館として一般公開されています。
かの偉人の功績に敬意を表し、観光案内所のある広場には「モーツァルト広場」の名が付けられており、“モーツァルトの街”にふさわしく偉人の存在を至る所で感じられることでしょう。
もう1つ、ザルツブルクを観光するうえで欠かせないのが、新市街にある「ミラベル宮殿」。
宮殿前の庭園はギリシャ神話をモチーフにした石像、噴水、四季折々の可憐な花々で彩られ、優美な空間が演出されており、ザルツブルクが舞台となったミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の名場面である「ドレミの歌」は、ここミラベル庭園で撮影されました。
映画を鑑賞したことのある方なら、歌唱シーンの記憶が脳裏に蘇るかのような追体験ができるでしょう。
また、庭園越しにメンヒスベルク山頂の「ホーエンザルツブルク城」の姿も目にすることのできる人気スポットでもあります。
ザルツブルクの街を歩いていると、時々遭遇する不思議なオブジェは芸術プロジェクト「モダンアートの散歩」で設置されたもの。
街の公共スペースに気鋭のアーティストらによる13の作品を展示するプロジェクトで、アートを辿ると自然に街歩きも楽しめて、観光名所を巡るのとはまた違った角度からザルツブルクを満喫できることでしょう。
もう1つ、ザルツブルクを観光するうえで欠かせないのが、歴史地区からバスで25分ほどの距離にある「ヘルブルン宮殿」です。
17世紀初頭にいたずら好きのマルクス・シティクス大司教の命により建てられた宮殿で、特に見どころなのが突拍子もない場所から吹き出す仕掛け噴水が至るところにある遊び心たっぷりな庭園。大司教は、思いがけずびしょ濡れになり慌てふためく客人を見て喜んでいたとか。
庭園はガイド付きのツアーでのみ見学可能なので、せっかくなら多少は濡れる覚悟でツアーに臨みましょう。11月~3月頃までは噴水庭園は休園ですが、12月にはクリスマスマーケットが開かれます。
オーストリアでは各都市がプリペイドカードを発行しているのですが、特に「ザルツブルク・カード」は市内の交通機関がほぼ乗り放題であるのに加えて、ほとんどの観光施設の入場が含まれているため、かなりお得ということで人気を集めています。ザルツブルクをお得に街歩きできる観光の必需品ですね。
実は日本との意外な繋がりも?オーストリア第2の都市グラーツ
オーストリアでウィーンに次いで人口第2位であるグラーツ。ウィーンからはオーストリア国鉄の特急レイルジェットで約3時間南下したところに位置しています。
観光の中心であるグラーツ歴史地区と「エッゲンベルク城」は世界遺産に登録されており、街を象徴する存在の時計塔があるシュロスベルクの丘から、“セピア色の町”と呼ばれる赤煉瓦の街並みを一望できます。
「エッゲンベルク城」はグラーツ中央駅からトラムでおよそ7分、市街地より約3キロ離れた閑静な住宅地にあり、“宇宙”をモチーフとしたユニークな建築が特長です。
東西南北の方角を示す四隅の塔は、それぞれが4つの季節、そして4大元素(火、水、風、地)を象徴。暦の数字に合わせて、外窓は365(一年365日)、門の数は12(一年12カ月)、客間の数は24(一日24時間)など、どこをとっても緻密な計算のうえで設計されているのです。
城主と客人の謁見の場であった「惑星の間」には、天井に7つの惑星、壁面に12星座の神話がそれぞれ描かれ、16世紀当時最新の“宇宙”の知識が城全体であますことなく表現されています。美しく手入れされた「惑星庭園」ではお庭を優雅に闊歩する孔雀とも出会えますよ。
また、こちらの古城には日本との意外なつながりも。2000年代に入ってまもなく豊臣秀吉時代の大阪の街並みを描いた金屏風絵「豊臣期大坂図屏風」が壁紙に組み込まれていることが発見され、これによって豊臣期の大坂城下の研究が飛躍的に進みました。この縁から、エッゲンベルグ城と大阪城は友好城郭提携を結び、現在も交流を続けています。
エッゲンベルク城内部の見学シーズンは4月(または3月末)から10月末までで、冬期は閉鎖されるのでご注意下さい。
このほかにも、グラーツは農作物の生産地であるシュタイヤマルク州の州都であることから“美食の街”という一面もあり、伝統料理を扱うレストランやバーでは旅の思い出に残る食を味わうことができるでしょう。
毎朝市内各地の広場で開かれるファーマーズマーケットに赴けば、新鮮な農産物とローカルなグルメに舌鼓を打つこともできます。
アルプスに抱かれた風光明媚な都市インスブルック
オーストリア西部にあるチロル州の州都で、かつては宿場町として栄えたインスブルック。
15世紀末には一時的に神聖ローマ帝国の都になったことから、「アルプスの都」という愛称で親しまれています。ザルツブルク中央駅からは、オーストリア国鉄の特急レイルジェットで約1時間50分の旅です。
インスブルックは中世の面影を残す都市景観とアルプスの雄大な自然という、オーストリアを象徴する2つの魅力をバランスよく兼ね備えています。
世界的なウィンタースポーツの聖地でもあり、2回の冬季五輪が開催されたほか、毎年のようにスキージャンプの世界大会が行われています。
中でも旧市街のど真ん中、金色に輝く屋根の“黄金の小屋根”はインスブルック随一の観光名所。
かつて神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世が広場での催しを鑑賞するために造らせたもので、その名の通り、金箔を施した銅のこけらぶき屋根が目を引く5階建ての建物です。
現在内部は博物館となっており、皇帝が蒐集した宝物などを一般向けに展示しています。
観光の傍ら、特別なひと時を過ごすなら、ぜひカフェ・バー「360 Grad」へ。360度ぐるりとガラス張りとなった店内から、2,000メートル級の山脈と市街地の美しいパノラマビューを一望できる特別な空間が広がっています。ゆったりと椅子に腰かけて、風光明媚な景色を独占できる特等席です。
オリジナルカクテルに舌鼓を打ちながら、刻々と表情を変える空の色と風景をゆったりと堪能してみて。
五感を刺激する“美”を発見、オーストリアの多様な魅力
まだまだあるオーストリアの魅力
今回は首都ウィーンと、ザルツブルク、グラーツ、インスブルックといった地方の都市の魅力をお伝えしてきました。しかしオーストリアの魅力はまだまだ言い尽くせないほど。
ここではオーストリア観光局員の方にも、最新&おすすめのスポット情報をリサーチ。ツウの目線ならではの観光情報を教えて頂きました。
オーストリア政府観光局に聞いた、現地のツウなおすすめスポット&最新トレンド情報
オーストリア観光局:インスブルックからバスで約20分のワッテンスという町にあるスワロフスキー本社の敷地内に、世界に1つだけの「スワロフスキー・クリスタルワールド」というテーマパークがあります。クリスタルをふんだんに使った現代アートの展示が主ですが、世界最大級のショップも併設していますし、クオリティの高いレストランもあって、ゆったり楽しめるスポットです。インスブルック市が販売している観光用特典カード「インスブルック・カード」を購入すれば、入場料と直行シャトルバスが無料になるのでお得です。
オーストリア政府観光局:近年のトレンドとして、ルーフトップ施設がますます人気を集めている印象です。ウィーン市内で挙げるとすれば「アンダーズ ウィーン アム ベルヴェデーレ」のオーロラ・ルーフトップバー、「25アワーズ ホテル」のルーフトップバー、水族館「ハウス・デス・メーレス」のルーフトップレストラン、「MQリベッレ」あたりがメジャーですが、この他にもありとあらゆる建物の屋上がルーフトップスペースとして活用されています。
このうち「MQリベッレ」はバーではなく、「レオポルド美術館(エゴン・シーレの作品を多く所蔵する美術館)」の屋上に2020年にオープンしたスペースです。「ウィーン自然史博物館」と「ウィーン美術史博物館」の双子建築も眺められ、入場は無料です(火曜日休み)。
オーストリア観光局:グルメだと、これからの季節はジェラートがオススメです。イタリア系移民の多いウィーンは、実は本場イタリア以上にジェラテリアの密度が高いといわれていて、夏になると老いも若きもジェラートを美味しそうに頬張っています。どのお店もお手頃価格で美味しいですが、特に「アイスグライスラー」や「ヴィーガニスタ」といったチェーンは地産地消やオーガニックにこだわっています。ザッハートルテ味やパンプキンシードオイル味などオーストリアらしいフレーバーも多いので、ぜひいろいろ試してみてください。
オーストリア政府観光局:そのほかのおすすめとして、ベルヴェデーレ宮殿のすぐ隣にオープンした「シュテックル・イム・パルク」というビアガーデンをご紹介させて下さい。実はオーストリアは一人当たりのビール消費量が世界2位の“ビール好き”なお国柄。こちらは木々とパラソルが陰を作っていて心地よく、自家製ビールはもちろんオーストリア料理も美味しく、地元の人にも人気で、政府観光局の日本人スタッフもリピートしています。日本人の旅行者にはまだあまり知られていない穴場スポットです。
自然、芸術、歴史…オーストリアに溢れる“美”を五感で楽しんで
ヨーロッパ大陸の中央にあり、欧州東西のハブとしての役割も担ったオーストリアは、ハプスブルク帝国時代に領地やその周辺の国々からもたらされた影響を受けながら、今日までの成長を遂げてきました。
歴史と芸術の優美さを現代に伝える、過去と未来の狭間にいるかのような都市を訪れれば、きっと心弾むような旅が叶うはず。各都市ごとの個性と魅力を実際に旅して、味わってみてはいかがでしょうか。(女子旅プレス/modelpress編集部)[PR]提供元:オーストリア政府観光局
※記事は女子旅プレスの調査及び主観に基づくものであり、店舗のサービスが保証されるものではありません。