「世界で最も住みやすい都市」ウィーンのおすすめ観光&グルメスポット14選 中世香る“音楽と芸術の都”へ
提供:女子旅プレス
2019年は日本とオーストリアが国交樹立150周年を迎える節目の年。首都・ウィーンは「世界で最も住みやすい都市」ランキングで、過去7年連続して首位を占めていたメルボルンを抑え、昨年堂々の第一位に輝き、世界的に話題を集めました。そんなウィーンの魅力の一言で表すならば“音楽と芸術の都”。中世から受け継がれる美しい歴史的建造物に、美術史に名を刻む芸術家の名作と出会える美術館や博物館、毎夜のように繰り広げられるオペラ…さらに名物グルメや地元ワインといった食も見逃せません。そこで今回は、中世の香りが色濃く残るウィーンの観光スポット&人気レストラン、そして観光時に役立つプチ情報を併せてご紹介します。
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日本からウィーンまでは直行便で約11時間。時差は8時間(サマータイム期間は7時間)で、EU諸国同様、通貨はユーロ(2019年2月時点で1ユーロ=約125円)が流通しています。公用語はドイツ語がメインですが、日常会話はある程度の英語力さえあれば問題ありません。
中世の面影を色濃く残す美しい街並みが特徴で、ヨーロッパ諸国の中でも治安の良さはトップクラス。交通インフラもバス・地下鉄・路面電車がしっかり整備されています。昨年は「世界で最も住みやすい都市」ランキングで第1位に選ばれたりと(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット調べ)、初めてのヨーロッパ旅行や女性同士での旅でも安心して訪れたくなる要素がたくさん。
そんなウィーンを観光中に、街の至る所からちらほらと塔の先端が見え隠れするゴシック様式の大聖堂「シュテファン大聖堂」は、ウィーンを語る上で欠かせない名所。時代が変わっても常にウィーンの背骨であり続けた存在で、この聖堂を含むウィーン歴史地区は2001年にユネスコ世界遺産に登録されました。
大聖堂の上部を彩る芸術的なステンドガラスに加え、ディティールも凝った精巧な細工が至る所に施され、荘厳華麗な空間を作り上げています。聖堂内には、木彫りの聖母子像、祭壇、礼拝堂、説教檀などが置かれ、地元の信者の方々が静寂の中で祈りを捧げている姿が印象的。朝9時頃から団体のツアー客で非常に混雑し始めるため、早朝の時間帯に訪れるのがおすすめです。
また、大聖堂のすぐ隣にウィーンの国民的定番菓子「マンナー(Manner)」のフラッグシップショップがあり、サーモンピンク色のパッケージが可愛いウエハースだけでなく、オリジナル雑貨も揃っているので要チェック。
裏手にも、紅茶・フレイバーティ―専門店「ハース&ハース(Haas and Haas)」や、若かりし頃のモーツァルトが生前暮らしたアパート「モーツァルトハウス」、高級スーパー「ユリウス・マインル(Julius Meinl)」といった見どころがたくさん。
ただし「マンナー」を含む、近隣のショップは10時~11時開店の場合が多いので要注意。近場にお洒落なカフェもたくさんあるので時間をつぶすのには困りません。
かつてベートーベンやモーツァルトがこの街で暮らし、今も昔も著名な音楽家たちが集う“音楽の都”として名を馳せているウィーン。世界最高峰のオーケストラであるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が本拠地を構え、時代が変わった現代でも、世界の音楽大学のランキングでトップクラスに位置する「ウィーン国立音楽大学」があることからレベルの高い音楽家を輩出する土壌が育まれています。
世界で最も美しい大通りのひとつと言われるリンク通りの「ウィーン国立歌劇場」、通称“オペラ座”は、ウィーンが“音楽の都”であることを示す象徴的な存在。
ウィーン市内に数多く存在する劇場と違い、毎年9月から6月まで毎日異なる演目を上演しているのが特徴で、ステージ入れ替えに必要な荷物を搬入するトラックがひっきりなしに出入りしています。
そんな「ウィーン国立歌劇場」で年に一度だけ開かれる舞踏会は、入場料さえ払えば誰でも参加資格があるのだそう。舞踏会当日は、ドレスや燕尾服でドレスアップした正装の男女が集結し、その光景はまさに映画のワンシーンさながら。中世にタイムスリップしたかのような華やかな夜を過ごすために、ウィーンを訪れる観光客もいるほどです。
ウィーン中心部でランチをするなら、ぜひ訪れてほしい一押しのカフェレストランが、モーツァルト像とト音記号の花壇で有名なブルグ公園にある「パルメンハウス」。
ヨーロッパ大陸最大規模の温室の中に、植物園と蝶々園に挟まれるように飲食スペースが設けられています。インテリア代わりに亜熱帯の植物が生い茂っていてどこを撮っても絵になるくらいフォトジェニック。日差しの差す暖かなサンルームで優雅なランチタイムを過ごせます。
お洒落で雰囲気も良いので、休日のランチに訪れる地元のファミリー客の姿も多く、エントランス脇にテラス席も併設しているので春夏は外の空気を感じながらのランチもおすすめ。
メニューは、地中海に影響を受けた創作料理をはじめ、海外サイズのビッグなバーガー、魚のソテー、デザートなど、どれも日本人の口に合う絶品ぞろい。
ちなみにオーストリアで食後の紅茶を頼むと、ボットのお湯と未開封のティーバッグがサーブされ、淹れるのはセルフサービスというケースがあり、すでに充分抽出された状態で提供される日本との違いに驚く方もいるそう。オーストリアではそのような提供方法をとっている飲食店が多いため、文化の違いのひとつとして受け止めるようにしましょう。
第一次世界大戦までの約650年間、オーストリアを治め続けたハプスブルク家の政治中枢であり、歴代皇帝が居城とした「ホーフブルク宮殿(王宮)」は、世界最大級の宮殿複合体と言われるだけあり、その全貌はとにかく広大。
旧王宮と新王宮に、エリザベート皇妃の愛用品を展示する「シシィ博物館」、「スペイン馬術学校」のルネッサンス様式の厩舎、日曜日のミサが有名な「アウグスティーナ教会」、ハプスブルク家が世界中の領地から蒐集した芸術品を集めた「美術史美術館」、「アルベルティーナミュージアム」、「オーストリア国立図書館」、「宝物殿」など、様々な施設が複合的に混在して王宮全体を構築しています。
王宮裏手のミヒャエル広場で特筆すべきが、建築家アドルフ・ロースによって建てられた「ロースハウス」。煌びやかな建築スタイルを良しとしていた20世紀当時のウィーンの風潮に反し、徹底的に無駄な装飾を排除したデザインとしたことが大きな批判の的となり、別名“眉毛のない家”と呼ばれた、ウィーン建築史を語るうえで欠かせない存在です。
広場一帯では美しい王宮を見渡せるスターバックスや、宮廷御用達のチョコレート店「デメル」、モーツァルトのロゴが特徴のチョコレート店「ハインドル」といった世界的なショコラティエが店舗を構え、常に観光客で賑わいを見せています。
これぞバロック様式!という豪奢な佇まいが特徴の「オーストリア国立図書館(プルンクザール)」は、別名“世界で最も美しい図書館”と呼ばれ、かつてマリア・テレジアの父・カール6世の命により1723~26年に建てられました。
収蔵冊数はおよそ約20万冊で、ドーム天井まで届く本棚が圧巻。全ての本に同じ皮のカバーがかけらているため非常に統一された印象を受けます。
一番高い部分で天井高30メートルもあり、天井画の天使の下にはカール6世のフレスコ画が。天使の手には月桂樹(=永遠の象徴)が描かれています。17~18世紀頃の地球儀も綺麗な状態で残されていて、どこか修道院のような雰囲気。
一般見学エリアはこの博物館のような蔵書スペースのみで、最新図書は地下のホールに収蔵されています。オーストリアで出版される全ての書籍は必ず一冊ここに保管されているのだとか。
実は「オーストリア国立図書館(プルンクザール)」は、昨年で建物完成から650周年を迎えたのですが、その根拠とされているのが館内で一番古い本とされている分厚い聖書。この古びた聖書の中にある、650年前に創刊されたという記述が(1368年のもの)築年数の裏付けとなっています。ゴージャスな装丁で、文章は金で文字が書かれた、非常に歴史的価値の高い一冊。常設展示ではないので、運良く見られたらラッキーです。
世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムトの作品を展示しているミュージアムといえば、「セセッシオン(分離派会館)」「美術史美術館」などが挙げられますが、クリムトの代表作「接吻(THE KISS)」が見られるのは「ベルヴェデーレ宮殿」のみ。それもそのはず、「接吻」は国外への持ち出しが国で禁じられているため、現物は世界でここだけでしか見られない非常に貴重な作品なんです。
「美しい眺め(=ベルヴェデーレ)」という意味をもつこの宮殿は、バロック建築の豪奢な外観・内観もさることながら、美しく整備された大庭園と旧市街の見晴らしが素晴らしく、時折音楽イベントの会場としても活用されています。
門外不出の名作「接吻」が展示されているのは、宮殿内のオーストリアギャラリー。クリムトの父が金細工師だったことから、絵画を収めている額縁にもこだわりが感じられます。日本で2019年に開催される「クリムト展」にももちろん展示されないので、まさにウィーンでしかお目にかかれない大変貴重な作品です。
またクリムトと並ぶ、世紀末芸術を代表する画家エゴン・シーレが描いた恋人像との対比も興味深いものがあります。クリムトは優しい色彩で柔らかな幸福感に包まれた2人が描かれているのに対し、シールの恋人像はダークトーンの色調で描かれ、荒々しくどこか暗さや悲哀も漂う影のある印象。2人の偉大な画家が描く対照的な恋人像を見比べてみると、それぞれの絵画が描かれた背景への想像が膨らみますね。
オーストリアで600年以上に渡り主権を握り、現代までの礎を築いたといっても過言ではないハプスブルク家。かつて王朝の都をウィーンに置いていたハプスブルク家が、夏の避暑を過ごす別荘として利用していたのが「シェーンブルン宮殿」。別荘とはいっても、その規模は桁違い。
敷地の大半を占めるシェーンブルン庭園は年中無料開放されており、非常に豪華で優美。総面積1.7平方キロメートルと東京ドーム約36個分もの大スケールにも関わらず、樹木も植えられた花々もしっかり手入れされ、いつ訪れても美しい状態のまま。
ヨーロッパで最も美しいバロック建築のひとつに数えられるイエローカラーのお屋敷は、ユネスコ世界文化遺産にも登録されています。客室数1441室のうち、一般公開されているのはわずか40室のみ。
オーストリアで最も訪問者の多い歴史的名所のため、日中は世界中から集まったツアー観光客が大勢訪れるので、早朝に訪れるのがおすすめ。ごく稀に早起きな地元ランナーを見かけるだけで、人気が少なく写真撮影もしやすいのでいいことづくめです。
ウィーンには300年以上も前からカフェ文化が根付いていて、少し歩けばあちこちで魅力的なカフェが営業しているのが目に付きます。数えきれないほどあるカフェから、今回おすすめしたいのが、おばあちゃんスタッフが主役として働くカフェ「フォルペンション」。
看板代わりの青いネオンサインが輝き、店内には不揃いの家具や、レンガの白壁に掛けられた色褪せた写真の数々が。お洒落だけれど、地元の人の家に遊びに来たようなアットホームな空気も漂う人気店です。
肝心のケーキも甘すぎず日本人向けの味。アプリコットケーキ、ラム酒ケーキ、ブラウニーとどれを食べても美味しいのですが、特にチーズケーキは、カッテージチーズそのものの味を凝縮したようなフレッシュな味わいが絶品。味も居心地の良さも二重丸、どこか懐かしい気分に浸れるカフェです。
ウィーンでトップクラスの滞在を体験するなら、日本の天皇陛下をはじめ世界各国の国賓クラスの要人たちを迎え入れてきた“ウィーンの迎賓館”と称される最高級ホテル「ホテル インペリアル」へ。
19世紀に建てられた公爵の館を改築したホテルで、格式の高さを感じさせる重厚な外観、大理石の階段や大きなシャンデリアが輝くロビー…決して古さを感じさせない絢爛豪華な内装はさすが5つ星といったところ。ロビーから2階へ続く階段は、まだ馬車が移動手段だった時代に、貴族が馬車を停め、出入りした頃の名残だそう。
最もハイグレードな位置づけのインペリアルスイートは、1泊あたり3000~6000ユーロ(約37万~75万円)と流石のお値段。
ゴージャスな内装に加え、専属のバトラーが滞在中身の回りのサポートをしてくれるため、プロポーズ目的で宿泊するカップルも多いそう。過去には部屋中に5,000本のバラを置きプロポーズした強者もいたのだとか…!
1階のカフェとバー・ラウンジは宿泊客以外の外来利用も可能なので、ラグジュアリーな空気感だけでも味わってみたい方は気軽に利用してみて。
ウィーン市の面積は約415平方キロメートルで、横浜市(約438平方キロメートル)とほとんど同じ大きさ。東京23区よりも小さく、観光スポットもリンク通り周辺に集中していますが、それでも食事も観光地まですべて徒歩では済ますのは一苦労。
そこでウィーンに到着したらまずは、「ウィーンシティカード」という公共交通パスをゲットしましょう。ホテルや駅の案内所などで入手可能な真っ赤なカードで、滞在日数に応じて24時間、48時間、72時間の3種類から使用期限を選べます。
一度改札に通すとその時間がカードに記録され、それ以降はパスに書かれた時間分、バス、メトロ、路面電車などの全ての公共交通機関が乗り放題に。
また、「ウィーンシティカード」には赤いカードと白いカードがあり、後者は観光ツアーバス「Big Bus Tours」のホップオン・ホップオフ・ツアーも乗り放題。そのため値段も白いカードがやや高めです。
さらに博物館や美術館含む210以上の施設で特典が受けられるので、現地の移動手段として公共交通機関を利用する予定なら、必ず到着初日にゲットしておきましょう。
かつて帝都であったウィーンには優れた料理人たちが集まり、近隣国の料理を持ち込み、独自にアレンジしてウィーン風に発展させてきた歴史があります。その中で生まれた「ターフェルシュピッツ(牛肉の煮込み)」「シュニッツェル(ウィーン風カツレツ)」「グラーシュ(ビーフシチュー)」は地元の人々にも愛される名物料理。
そんなオーストリア名物料理のひとつ、ターフェルシュピッツが看板メニューの「プラフッタ(Plachutta)」は、オペラ座の出演者も通うという、家族経営ならではのアットホームさが魅力の名店です。
オーストリアの女性は18歳になると「プラフッタ」が発行するレシピ本を貰い、嫁ぎ先でもその味を家庭で受け継ぐそう。そうして時代が変わっても、代々各家庭で受け継がれていく伝統料理がターフェルシュピッツなのです。
「プラフッタ」では、牛肉をコンソメスープで最低3時間弱火でじっくり煮込み、大ぶりでもほろほろと柔らかな食感に仕上げています。強火でグラグラ煮立てないためスープも濁らず澄んだまま。ほうれん草、ホースラディッシュ&リンゴ、チャイブのソースの3種で味わいます。
牛の骨髄も残さず、付け合わせのパンにバターのように塗って食べるのがウィーン流。せっかくなのでぜひトライしてみて。
「ミュージアム・クォーター」の裏側にある、シュニッツェルの人気店「グラシスバイスル(Glacis Beisl)」は、カジュアルなディナーが食べたいときにぴったり。
植物が生い茂るエントランスは、ウォールを埋めつくすほどのフォトジェニックなウォールペイントで彩られ、どこかポップでやんちゃな印象。しかし店内は、鹿のはく製が飾られていたりとっても雰囲気が良く、カジュアルな居心地の良さが漂っています。
「グラシスバイスル」のシュニッツェルは、サクッと薄い衣をまとっていて、イヤな油っぽさがなく胃もたれしないので、女性でも一皿ぺろっと完食できちゃうくらいの美味しさ。地ビールとも相性抜群です。
オーストリア=ハンガリー帝国時代に伝わり、今ではすっかりオーストリア料理として定着した「グラーシュ」。グラーシュとは、牛肉と野菜を煮込んだビーフシチューのような煮込み料理のことです。
このグラーシュを提供しているレストランのひとつ「グモアケラー」は、ランチ時になると地元の方で満席になる繁盛店。暖かければ黄色いパラソルの下でのテラスランチが気持ちよくっておすすめ。秋限定のかぼちゃの煮込みやカボチャスープといったシーズナルメニューから魚料理まで何を頼んでも美味しいので安心です。
食後のデザートには、かつて皇帝も愛したという伝統的なスイーツ「カイザーシュマーレン」を試してみて。プラムジャムの酸味と甘いダンプリング、カラメルっぽい焼き目が絶妙にマッチしています。「パラチンケン」というクレープ菓子も軽くておすすめ、中身はあんずジャムが定番です。
民族衣装の女性がデザインされた、オーストリアの定番炭酸ジュース「アルムドゥードゥラー」にもぜひトライしてみて。ちょっとハーブのような風味があって、食事の味を邪魔しないさわやかなお味です。
ワインの産地といえばイタリアやフランスが有名ですが、実はウィーンも都市としては珍しく古くから良質なワインの産地として発展を遂げてきました。旧市街から車で25分、ウィーン郊外で約200年の歴史を誇るワイナリー「フーアガッスル・フーバー(Fuhrgassl Huber)」もそのひとつ。
ウィーンでは白ワインの生産がメインで、こちらのワイナリーも白ワインが8割、赤ワイン2割の生産率。約25種の自社ワインのテイスティングを楽しめるだけでなく、現地の言葉で“ホイリゲ”と呼ばれる、日本でいうところのワイン酒場を所有しているため、自慢のワインと一緒にグリル肉の盛り合わせや、野菜の素揚げ、キャベツのサラダなどの家庭料理を気軽に味わえるんです。
ワインの種類は軽くフルーティなもの、ドライな飲み口、樽の香りが強いものまで様々ですが、一部ウィーン州のワインアワードで受賞歴のある銘柄も。ボトルで飲んでも1本約2,000円程度と非常にお財布にやさしい価格設定ですが、テイクアウトだとイートインの半額程度の価格で購入できるのでワイン好きならきっとお土産に欲しくなってしまうはず。
もし秋口に訪れることがあれば、新酒の時期だけしか飲めない「シュトゥルム」というワインになる前段階の状態の炭酸飲料もおすすめ。りんごジュースのような見た目のフルーティな甘さで、アルコール分4%とは思えないくらいの飲みやすさ。
シメのデザートはオーストリア風のアップルパイ「アップルシュトゥルーデル」、もしくはフレッシュチーズのパイ「トプフェンシュトゥルーデル」をどうぞ。
ウィーンで思い出に残る夜を楽しむなら、「フォルクスオーパー」でのオペレッタの観劇がおすすめ。「ウィーン国立歌劇場」に次いで市内で2番目に大きな歌劇場で、毎年9月~6月までのシーズン中に約300もの公演が開催されています。
今回の取材時に観劇した演目は『チャールダーシュの女王』という喜歌劇。平日の夜公演にも関わらずほぼ満席。キャストのセリフは基本ドイツ語ですが、舞台上に英語の字幕が流れるので多少意味は理解しやすくなっています。
地元の人々は、仕事終わりに映画を見に来るように、仕事終わりに正装して劇場へ足を運ぶのだそう。ぜひお洒落なファッションで、ウィーンならではの優雅な夜のひとときを楽しんでみて。
今回、実際にウィーンで過ごしてみると、街全体にゆったりと落ち着いた空気が流れていて、そこに暮らす人々も全体的に穏やかな印象。「世界で最も住みやすい都市」調査で第1位に輝いただけあり、今回の滞在中、夜道をひとりで歩くことがたびたびあったものの、不安を感じるような場面もなく安心して街歩きを楽しめました。もちろん海外旅行先で油断は禁物ですが、最低限身の回りのことに気を払ってさえいれば女子のひとり旅でも問題なく過ごせるはずです。
しかも今年は、日本・ウィーンが国交樹立150周年の節目を迎えるにあたり、日本でも様々な関連イベントが開催されるだけでなく、2月17日(日)よりANAが羽田~ウィーン直行便を毎日運航していたりと、観光需要の高まりに伴い、ますますアクセス面が向上する絶好の渡航チャンス。
初めてのヨーロッパデビューにもぴったりの都市・ウィーンで美しい風景、文化、芸術に触れ、センスを磨く、ちょっと大人な女子旅を過ごしてみませんか。(女子旅プレス/modelpress編集部)
※記事は女子旅プレスの調査及び主観に基づくものであり、店舗のサービスが保証されるものではありません。
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目次
- 初めてのオーストリア・ウィーン基本観光情報
- 早起きして行くべし!ウィーンのシンボルといえば「シュテファン大聖堂」
- “音楽の都”ウィーンが誇る世界屈指のオペラハウス「ウィーン国立歌劇場」
- 優雅な昼下がりを過ごせるランチスポット!温室カフェレストラン「パルメンハウス」
- 世界最大級の宮殿複合体「ホーフブルク宮殿」
- 美しすぎる図書館は一見の価値あり「オーストリア国立図書館(プルンクザール)」
- クリムト最高傑作!世界で唯一「接吻」が見られる「ベルヴェデーレ宮殿」
- ハプスブルク家の別荘は規格外のスケール「シェーンブルン宮殿」
- 自家製ケーキはどれも外れなしの美味しさ!お洒落カフェ「フォルペンション」
- ウィーンが世界に誇る最上級5つ星ホテル「ホテル インペリアル」
- 公共交通機関が乗り放題!「ウィーンシティカード」が便利すぎる
- 滞在中に一度は必ず食べてみて!ウィーン名物料理3選
- オーストリア名物グルメその1!伝統の牛肉煮込みの人気店「プラフッタ」
- オーストリア名物グルメその2!シュニッツェルの人気店「グラシスバイスル」
- オーストリア名物グルメその3!グラーシュ以外も何もかも美味しい繁盛店「グモアケラー」
- お酒好き女子に朗報!美味しいワインをコスパ良く飲めるワイン酒場
- 「フォルクスオーパー」にてオペレッタ・ミュージカルを鑑賞
- 治安も過ごしやすさも◎!ウィーンで暮らすように旅しよう
初めてのオーストリア・ウィーン基本観光情報
日本からウィーンまでは直行便で約11時間。時差は8時間(サマータイム期間は7時間)で、EU諸国同様、通貨はユーロ(2019年2月時点で1ユーロ=約125円)が流通しています。公用語はドイツ語がメインですが、日常会話はある程度の英語力さえあれば問題ありません。
中世の面影を色濃く残す美しい街並みが特徴で、ヨーロッパ諸国の中でも治安の良さはトップクラス。交通インフラもバス・地下鉄・路面電車がしっかり整備されています。昨年は「世界で最も住みやすい都市」ランキングで第1位に選ばれたりと(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット調べ)、初めてのヨーロッパ旅行や女性同士での旅でも安心して訪れたくなる要素がたくさん。
早起きして行くべし!ウィーンのシンボルといえば「シュテファン大聖堂」
そんなウィーンを観光中に、街の至る所からちらほらと塔の先端が見え隠れするゴシック様式の大聖堂「シュテファン大聖堂」は、ウィーンを語る上で欠かせない名所。時代が変わっても常にウィーンの背骨であり続けた存在で、この聖堂を含むウィーン歴史地区は2001年にユネスコ世界遺産に登録されました。
大聖堂の上部を彩る芸術的なステンドガラスに加え、ディティールも凝った精巧な細工が至る所に施され、荘厳華麗な空間を作り上げています。聖堂内には、木彫りの聖母子像、祭壇、礼拝堂、説教檀などが置かれ、地元の信者の方々が静寂の中で祈りを捧げている姿が印象的。朝9時頃から団体のツアー客で非常に混雑し始めるため、早朝の時間帯に訪れるのがおすすめです。
また、大聖堂のすぐ隣にウィーンの国民的定番菓子「マンナー(Manner)」のフラッグシップショップがあり、サーモンピンク色のパッケージが可愛いウエハースだけでなく、オリジナル雑貨も揃っているので要チェック。
裏手にも、紅茶・フレイバーティ―専門店「ハース&ハース(Haas and Haas)」や、若かりし頃のモーツァルトが生前暮らしたアパート「モーツァルトハウス」、高級スーパー「ユリウス・マインル(Julius Meinl)」といった見どころがたくさん。
ただし「マンナー」を含む、近隣のショップは10時~11時開店の場合が多いので要注意。近場にお洒落なカフェもたくさんあるので時間をつぶすのには困りません。
“音楽の都”ウィーンが誇る世界屈指のオペラハウス「ウィーン国立歌劇場」
かつてベートーベンやモーツァルトがこの街で暮らし、今も昔も著名な音楽家たちが集う“音楽の都”として名を馳せているウィーン。世界最高峰のオーケストラであるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が本拠地を構え、時代が変わった現代でも、世界の音楽大学のランキングでトップクラスに位置する「ウィーン国立音楽大学」があることからレベルの高い音楽家を輩出する土壌が育まれています。
世界で最も美しい大通りのひとつと言われるリンク通りの「ウィーン国立歌劇場」、通称“オペラ座”は、ウィーンが“音楽の都”であることを示す象徴的な存在。
ウィーン市内に数多く存在する劇場と違い、毎年9月から6月まで毎日異なる演目を上演しているのが特徴で、ステージ入れ替えに必要な荷物を搬入するトラックがひっきりなしに出入りしています。
そんな「ウィーン国立歌劇場」で年に一度だけ開かれる舞踏会は、入場料さえ払えば誰でも参加資格があるのだそう。舞踏会当日は、ドレスや燕尾服でドレスアップした正装の男女が集結し、その光景はまさに映画のワンシーンさながら。中世にタイムスリップしたかのような華やかな夜を過ごすために、ウィーンを訪れる観光客もいるほどです。
優雅な昼下がりを過ごせるランチスポット!温室カフェレストラン「パルメンハウス」
ウィーン中心部でランチをするなら、ぜひ訪れてほしい一押しのカフェレストランが、モーツァルト像とト音記号の花壇で有名なブルグ公園にある「パルメンハウス」。
ヨーロッパ大陸最大規模の温室の中に、植物園と蝶々園に挟まれるように飲食スペースが設けられています。インテリア代わりに亜熱帯の植物が生い茂っていてどこを撮っても絵になるくらいフォトジェニック。日差しの差す暖かなサンルームで優雅なランチタイムを過ごせます。
お洒落で雰囲気も良いので、休日のランチに訪れる地元のファミリー客の姿も多く、エントランス脇にテラス席も併設しているので春夏は外の空気を感じながらのランチもおすすめ。
メニューは、地中海に影響を受けた創作料理をはじめ、海外サイズのビッグなバーガー、魚のソテー、デザートなど、どれも日本人の口に合う絶品ぞろい。
ちなみにオーストリアで食後の紅茶を頼むと、ボットのお湯と未開封のティーバッグがサーブされ、淹れるのはセルフサービスというケースがあり、すでに充分抽出された状態で提供される日本との違いに驚く方もいるそう。オーストリアではそのような提供方法をとっている飲食店が多いため、文化の違いのひとつとして受け止めるようにしましょう。
世界最大級の宮殿複合体「ホーフブルク宮殿」
第一次世界大戦までの約650年間、オーストリアを治め続けたハプスブルク家の政治中枢であり、歴代皇帝が居城とした「ホーフブルク宮殿(王宮)」は、世界最大級の宮殿複合体と言われるだけあり、その全貌はとにかく広大。
旧王宮と新王宮に、エリザベート皇妃の愛用品を展示する「シシィ博物館」、「スペイン馬術学校」のルネッサンス様式の厩舎、日曜日のミサが有名な「アウグスティーナ教会」、ハプスブルク家が世界中の領地から蒐集した芸術品を集めた「美術史美術館」、「アルベルティーナミュージアム」、「オーストリア国立図書館」、「宝物殿」など、様々な施設が複合的に混在して王宮全体を構築しています。
王宮裏手のミヒャエル広場で特筆すべきが、建築家アドルフ・ロースによって建てられた「ロースハウス」。煌びやかな建築スタイルを良しとしていた20世紀当時のウィーンの風潮に反し、徹底的に無駄な装飾を排除したデザインとしたことが大きな批判の的となり、別名“眉毛のない家”と呼ばれた、ウィーン建築史を語るうえで欠かせない存在です。
広場一帯では美しい王宮を見渡せるスターバックスや、宮廷御用達のチョコレート店「デメル」、モーツァルトのロゴが特徴のチョコレート店「ハインドル」といった世界的なショコラティエが店舗を構え、常に観光客で賑わいを見せています。
美しすぎる図書館は一見の価値あり「オーストリア国立図書館(プルンクザール)」
これぞバロック様式!という豪奢な佇まいが特徴の「オーストリア国立図書館(プルンクザール)」は、別名“世界で最も美しい図書館”と呼ばれ、かつてマリア・テレジアの父・カール6世の命により1723~26年に建てられました。
収蔵冊数はおよそ約20万冊で、ドーム天井まで届く本棚が圧巻。全ての本に同じ皮のカバーがかけらているため非常に統一された印象を受けます。
一番高い部分で天井高30メートルもあり、天井画の天使の下にはカール6世のフレスコ画が。天使の手には月桂樹(=永遠の象徴)が描かれています。17~18世紀頃の地球儀も綺麗な状態で残されていて、どこか修道院のような雰囲気。
一般見学エリアはこの博物館のような蔵書スペースのみで、最新図書は地下のホールに収蔵されています。オーストリアで出版される全ての書籍は必ず一冊ここに保管されているのだとか。
実は「オーストリア国立図書館(プルンクザール)」は、昨年で建物完成から650周年を迎えたのですが、その根拠とされているのが館内で一番古い本とされている分厚い聖書。この古びた聖書の中にある、650年前に創刊されたという記述が(1368年のもの)築年数の裏付けとなっています。ゴージャスな装丁で、文章は金で文字が書かれた、非常に歴史的価値の高い一冊。常設展示ではないので、運良く見られたらラッキーです。
クリムト最高傑作!世界で唯一「接吻」が見られる「ベルヴェデーレ宮殿」
世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムトの作品を展示しているミュージアムといえば、「セセッシオン(分離派会館)」「美術史美術館」などが挙げられますが、クリムトの代表作「接吻(THE KISS)」が見られるのは「ベルヴェデーレ宮殿」のみ。それもそのはず、「接吻」は国外への持ち出しが国で禁じられているため、現物は世界でここだけでしか見られない非常に貴重な作品なんです。
「美しい眺め(=ベルヴェデーレ)」という意味をもつこの宮殿は、バロック建築の豪奢な外観・内観もさることながら、美しく整備された大庭園と旧市街の見晴らしが素晴らしく、時折音楽イベントの会場としても活用されています。
門外不出の名作「接吻」が展示されているのは、宮殿内のオーストリアギャラリー。クリムトの父が金細工師だったことから、絵画を収めている額縁にもこだわりが感じられます。日本で2019年に開催される「クリムト展」にももちろん展示されないので、まさにウィーンでしかお目にかかれない大変貴重な作品です。
またクリムトと並ぶ、世紀末芸術を代表する画家エゴン・シーレが描いた恋人像との対比も興味深いものがあります。クリムトは優しい色彩で柔らかな幸福感に包まれた2人が描かれているのに対し、シールの恋人像はダークトーンの色調で描かれ、荒々しくどこか暗さや悲哀も漂う影のある印象。2人の偉大な画家が描く対照的な恋人像を見比べてみると、それぞれの絵画が描かれた背景への想像が膨らみますね。
ハプスブルク家の別荘は規格外のスケール「シェーンブルン宮殿」
オーストリアで600年以上に渡り主権を握り、現代までの礎を築いたといっても過言ではないハプスブルク家。かつて王朝の都をウィーンに置いていたハプスブルク家が、夏の避暑を過ごす別荘として利用していたのが「シェーンブルン宮殿」。別荘とはいっても、その規模は桁違い。
敷地の大半を占めるシェーンブルン庭園は年中無料開放されており、非常に豪華で優美。総面積1.7平方キロメートルと東京ドーム約36個分もの大スケールにも関わらず、樹木も植えられた花々もしっかり手入れされ、いつ訪れても美しい状態のまま。
ヨーロッパで最も美しいバロック建築のひとつに数えられるイエローカラーのお屋敷は、ユネスコ世界文化遺産にも登録されています。客室数1441室のうち、一般公開されているのはわずか40室のみ。
オーストリアで最も訪問者の多い歴史的名所のため、日中は世界中から集まったツアー観光客が大勢訪れるので、早朝に訪れるのがおすすめ。ごく稀に早起きな地元ランナーを見かけるだけで、人気が少なく写真撮影もしやすいのでいいことづくめです。
自家製ケーキはどれも外れなしの美味しさ!お洒落カフェ「フォルペンション」
ウィーンには300年以上も前からカフェ文化が根付いていて、少し歩けばあちこちで魅力的なカフェが営業しているのが目に付きます。数えきれないほどあるカフェから、今回おすすめしたいのが、おばあちゃんスタッフが主役として働くカフェ「フォルペンション」。
看板代わりの青いネオンサインが輝き、店内には不揃いの家具や、レンガの白壁に掛けられた色褪せた写真の数々が。お洒落だけれど、地元の人の家に遊びに来たようなアットホームな空気も漂う人気店です。
肝心のケーキも甘すぎず日本人向けの味。アプリコットケーキ、ラム酒ケーキ、ブラウニーとどれを食べても美味しいのですが、特にチーズケーキは、カッテージチーズそのものの味を凝縮したようなフレッシュな味わいが絶品。味も居心地の良さも二重丸、どこか懐かしい気分に浸れるカフェです。
ウィーンが世界に誇る最上級5つ星ホテル「ホテル インペリアル」
ウィーンでトップクラスの滞在を体験するなら、日本の天皇陛下をはじめ世界各国の国賓クラスの要人たちを迎え入れてきた“ウィーンの迎賓館”と称される最高級ホテル「ホテル インペリアル」へ。
19世紀に建てられた公爵の館を改築したホテルで、格式の高さを感じさせる重厚な外観、大理石の階段や大きなシャンデリアが輝くロビー…決して古さを感じさせない絢爛豪華な内装はさすが5つ星といったところ。ロビーから2階へ続く階段は、まだ馬車が移動手段だった時代に、貴族が馬車を停め、出入りした頃の名残だそう。
最もハイグレードな位置づけのインペリアルスイートは、1泊あたり3000~6000ユーロ(約37万~75万円)と流石のお値段。
ゴージャスな内装に加え、専属のバトラーが滞在中身の回りのサポートをしてくれるため、プロポーズ目的で宿泊するカップルも多いそう。過去には部屋中に5,000本のバラを置きプロポーズした強者もいたのだとか…!
1階のカフェとバー・ラウンジは宿泊客以外の外来利用も可能なので、ラグジュアリーな空気感だけでも味わってみたい方は気軽に利用してみて。
公共交通機関が乗り放題!「ウィーンシティカード」が便利すぎる
ウィーン市の面積は約415平方キロメートルで、横浜市(約438平方キロメートル)とほとんど同じ大きさ。東京23区よりも小さく、観光スポットもリンク通り周辺に集中していますが、それでも食事も観光地まですべて徒歩では済ますのは一苦労。
そこでウィーンに到着したらまずは、「ウィーンシティカード」という公共交通パスをゲットしましょう。ホテルや駅の案内所などで入手可能な真っ赤なカードで、滞在日数に応じて24時間、48時間、72時間の3種類から使用期限を選べます。
一度改札に通すとその時間がカードに記録され、それ以降はパスに書かれた時間分、バス、メトロ、路面電車などの全ての公共交通機関が乗り放題に。
また、「ウィーンシティカード」には赤いカードと白いカードがあり、後者は観光ツアーバス「Big Bus Tours」のホップオン・ホップオフ・ツアーも乗り放題。そのため値段も白いカードがやや高めです。
さらに博物館や美術館含む210以上の施設で特典が受けられるので、現地の移動手段として公共交通機関を利用する予定なら、必ず到着初日にゲットしておきましょう。
滞在中に一度は必ず食べてみて!ウィーン名物料理3選
かつて帝都であったウィーンには優れた料理人たちが集まり、近隣国の料理を持ち込み、独自にアレンジしてウィーン風に発展させてきた歴史があります。その中で生まれた「ターフェルシュピッツ(牛肉の煮込み)」「シュニッツェル(ウィーン風カツレツ)」「グラーシュ(ビーフシチュー)」は地元の人々にも愛される名物料理。
オーストリア名物グルメその1!伝統の牛肉煮込みの人気店「プラフッタ」
そんなオーストリア名物料理のひとつ、ターフェルシュピッツが看板メニューの「プラフッタ(Plachutta)」は、オペラ座の出演者も通うという、家族経営ならではのアットホームさが魅力の名店です。
オーストリアの女性は18歳になると「プラフッタ」が発行するレシピ本を貰い、嫁ぎ先でもその味を家庭で受け継ぐそう。そうして時代が変わっても、代々各家庭で受け継がれていく伝統料理がターフェルシュピッツなのです。
「プラフッタ」では、牛肉をコンソメスープで最低3時間弱火でじっくり煮込み、大ぶりでもほろほろと柔らかな食感に仕上げています。強火でグラグラ煮立てないためスープも濁らず澄んだまま。ほうれん草、ホースラディッシュ&リンゴ、チャイブのソースの3種で味わいます。
牛の骨髄も残さず、付け合わせのパンにバターのように塗って食べるのがウィーン流。せっかくなのでぜひトライしてみて。
オーストリア名物グルメその2!シュニッツェルの人気店「グラシスバイスル」
「ミュージアム・クォーター」の裏側にある、シュニッツェルの人気店「グラシスバイスル(Glacis Beisl)」は、カジュアルなディナーが食べたいときにぴったり。
植物が生い茂るエントランスは、ウォールを埋めつくすほどのフォトジェニックなウォールペイントで彩られ、どこかポップでやんちゃな印象。しかし店内は、鹿のはく製が飾られていたりとっても雰囲気が良く、カジュアルな居心地の良さが漂っています。
「グラシスバイスル」のシュニッツェルは、サクッと薄い衣をまとっていて、イヤな油っぽさがなく胃もたれしないので、女性でも一皿ぺろっと完食できちゃうくらいの美味しさ。地ビールとも相性抜群です。
オーストリア名物グルメその3!グラーシュ以外も何もかも美味しい繁盛店「グモアケラー」
オーストリア=ハンガリー帝国時代に伝わり、今ではすっかりオーストリア料理として定着した「グラーシュ」。グラーシュとは、牛肉と野菜を煮込んだビーフシチューのような煮込み料理のことです。
このグラーシュを提供しているレストランのひとつ「グモアケラー」は、ランチ時になると地元の方で満席になる繁盛店。暖かければ黄色いパラソルの下でのテラスランチが気持ちよくっておすすめ。秋限定のかぼちゃの煮込みやカボチャスープといったシーズナルメニューから魚料理まで何を頼んでも美味しいので安心です。
食後のデザートには、かつて皇帝も愛したという伝統的なスイーツ「カイザーシュマーレン」を試してみて。プラムジャムの酸味と甘いダンプリング、カラメルっぽい焼き目が絶妙にマッチしています。「パラチンケン」というクレープ菓子も軽くておすすめ、中身はあんずジャムが定番です。
民族衣装の女性がデザインされた、オーストリアの定番炭酸ジュース「アルムドゥードゥラー」にもぜひトライしてみて。ちょっとハーブのような風味があって、食事の味を邪魔しないさわやかなお味です。
お酒好き女子に朗報!美味しいワインをコスパ良く飲めるワイン酒場
ワインの産地といえばイタリアやフランスが有名ですが、実はウィーンも都市としては珍しく古くから良質なワインの産地として発展を遂げてきました。旧市街から車で25分、ウィーン郊外で約200年の歴史を誇るワイナリー「フーアガッスル・フーバー(Fuhrgassl Huber)」もそのひとつ。
ウィーンでは白ワインの生産がメインで、こちらのワイナリーも白ワインが8割、赤ワイン2割の生産率。約25種の自社ワインのテイスティングを楽しめるだけでなく、現地の言葉で“ホイリゲ”と呼ばれる、日本でいうところのワイン酒場を所有しているため、自慢のワインと一緒にグリル肉の盛り合わせや、野菜の素揚げ、キャベツのサラダなどの家庭料理を気軽に味わえるんです。
ワインの種類は軽くフルーティなもの、ドライな飲み口、樽の香りが強いものまで様々ですが、一部ウィーン州のワインアワードで受賞歴のある銘柄も。ボトルで飲んでも1本約2,000円程度と非常にお財布にやさしい価格設定ですが、テイクアウトだとイートインの半額程度の価格で購入できるのでワイン好きならきっとお土産に欲しくなってしまうはず。
もし秋口に訪れることがあれば、新酒の時期だけしか飲めない「シュトゥルム」というワインになる前段階の状態の炭酸飲料もおすすめ。りんごジュースのような見た目のフルーティな甘さで、アルコール分4%とは思えないくらいの飲みやすさ。
シメのデザートはオーストリア風のアップルパイ「アップルシュトゥルーデル」、もしくはフレッシュチーズのパイ「トプフェンシュトゥルーデル」をどうぞ。
「フォルクスオーパー」にてオペレッタ・ミュージカルを鑑賞
ウィーンで思い出に残る夜を楽しむなら、「フォルクスオーパー」でのオペレッタの観劇がおすすめ。「ウィーン国立歌劇場」に次いで市内で2番目に大きな歌劇場で、毎年9月~6月までのシーズン中に約300もの公演が開催されています。
今回の取材時に観劇した演目は『チャールダーシュの女王』という喜歌劇。平日の夜公演にも関わらずほぼ満席。キャストのセリフは基本ドイツ語ですが、舞台上に英語の字幕が流れるので多少意味は理解しやすくなっています。
地元の人々は、仕事終わりに映画を見に来るように、仕事終わりに正装して劇場へ足を運ぶのだそう。ぜひお洒落なファッションで、ウィーンならではの優雅な夜のひとときを楽しんでみて。
治安も過ごしやすさも◎!ウィーンで暮らすように旅しよう
今回、実際にウィーンで過ごしてみると、街全体にゆったりと落ち着いた空気が流れていて、そこに暮らす人々も全体的に穏やかな印象。「世界で最も住みやすい都市」調査で第1位に輝いただけあり、今回の滞在中、夜道をひとりで歩くことがたびたびあったものの、不安を感じるような場面もなく安心して街歩きを楽しめました。もちろん海外旅行先で油断は禁物ですが、最低限身の回りのことに気を払ってさえいれば女子のひとり旅でも問題なく過ごせるはずです。
しかも今年は、日本・ウィーンが国交樹立150周年の節目を迎えるにあたり、日本でも様々な関連イベントが開催されるだけでなく、2月17日(日)よりANAが羽田~ウィーン直行便を毎日運航していたりと、観光需要の高まりに伴い、ますますアクセス面が向上する絶好の渡航チャンス。
初めてのヨーロッパデビューにもぴったりの都市・ウィーンで美しい風景、文化、芸術に触れ、センスを磨く、ちょっと大人な女子旅を過ごしてみませんか。(女子旅プレス/modelpress編集部)
※記事は女子旅プレスの調査及び主観に基づくものであり、店舗のサービスが保証されるものではありません。
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